アンティークコインの譲渡をめぐる税務

個人のアンティークコイン*の譲渡に関する税金上の取扱いですが、ゴルフ会員権の譲渡の場合と同様になります。

 

*アンティークコインとは

一般的に100年以上前に欧米で発行された古銭コイン(金貨・銀貨・銅貨など)を指し、現在全世界に20万種類ほど存在すると言われております。その中でも、200~300種類のコインにはとても高い価値がついており、デザインや歴史的背景など様々な面から多くの人を魅了し続けています。

 

よって、一般的な売買の場合、その譲渡所得は総合課税の譲渡所得に区分されます。

 

商売や副業とする場合には、その所得は事業所得や雑所得に区分されますが、ここでは一般的な譲渡所得をみてみましょう。

 

この総合課税の譲渡所得の金額は次のように計算します。

 

譲渡所得の計算式=譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除50万円

 

また、コイン売却時の総合課税の譲渡所得は、取得から売却までの正味所有期間によって長期と短期の二つに区分されます。

 

①「長期譲渡所得」・・・正味所有期間が5年を超えている場合
②「短期譲渡所得」・・・正味所有期間が5年以内の場合

 

短期譲渡所得の金額は全額が課税対象になりますが、長期譲渡所得の金額は上記金額の2分の1が課税対象になりますので、税金上は当然、長期譲渡の方が有利になります。

 

<例示>
100万円でコインを購入(購入手数料は別途10万円)し、200万円で売却した。売却時には売却手数料等の諸費用が20万円かかった。


①所有期間が5年以上の場合(長期譲渡所得)
200万円-(110万円+20万円)-50万円(特別控除額)×1/2=10万円(課税対象)


②所有期間が5年以内の場合(短期譲渡所得)
200万円-(110万円+20万円)-50万円(特別控除額)=20万円(課税対象)

 

一方、譲渡損失が発生した場合には次のように取り扱われます。

 

譲渡損失の他の所得との損益通算及び雑損控除を適用することができない生活に通常必要でない資産の範囲に、主として趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有する不動産以外の資産が含まることから、アンティークコインもこれに含まれるものとして取り扱います。

 

したがって、総合課税内の譲渡所得間では内部相殺できますが、他の所得との損益通算はできないことになります。

 

一方、法人が所有するアンティークコインの譲渡損益は法人税法上の益金又は損益となります。

 

今後は資産運用会社(法人格)で、分散投資を目的にアンティークコイン投資するのも面白いアイデアかもしれません。

 

もちろん、今話題の仮想通貨に投資しても面白いでしょう。

 

法人税率は今後更に低下する見込みですし、万一の譲渡損失でも欠損金の繰越控除が最長9年間利用できるからです。

 

最後に、投資は自己責任の下でお願い致します。

 

(税理士 橋本ひろあき)