ビットコインをめぐる税務処理(2017年7月以降)

ビットコインの課税関係(税務処理)はどのようになるのでしょうか?

 

(1)ビットコインの課税関係(個人)
通常、個人で仮想通貨交換を業として行うことは考えられませんので、資産運用目的としての課税関係を前提にして説明しています。
 
①所得税
ビットコインの売却益は資産の譲渡による所得とされ、総合課税の譲渡所得の対象とされます。
特別控除が50万円あるので、その範囲内であれば実質非課税となります。
50万円を超えても、長期保有(5年超)であれば、所得は1/2に軽減されます。
 
※売却損が発生した場合は、ビットコインが「生活に通常必要でない資産」とみなされ、他の所得との損益通算を認められない可能性が高いと考えられます。

 

もしも、ビットコインの取引を頻繁に行う場合には、ビットコインの売買損益(トレード損益)は総合課税の雑所得に区分されると考えるのがよさそうです。


雑所得の場合、収入金額から必要経費を差しい引いたものが所得(課税の対象)となります。

 

なお、今のところ当該所得について、課税庁から実務上の正式な取扱いは公表されていませんので、各自妥当と考える処理を行うことになります。
 
②消費税
ビットコインの取引は非課税資産の譲渡等に該当するため、消費税の対象となりません(平成29年7月1日改正)。
国内取引であれば消費税の非課税取引となり、国外取引であれば消費税の対象外取引となり、ともに消費税はかかりません。
 
例えば、仮想通貨の売買取引の場合、仮想通貨の交換業者が国内にあるのか、国外にあるかで消費税の課税関係が変わってきます。
 
≪例示:本体価格100円のビットコインの売買取引≫
①国内取引として非課税となるケース
 国内の交換業者     →      個人
          ビットコインの譲渡
  100円(非)            100円(非)
 
②国外取引として不課税のケース
 国外の交換業者     →      個人
          ビットコインの譲渡
  100円(不)            100円(不)
 
また、ビットコインと商品・サービスとの交換取引も非課税とされます(平成29年7月1日改正)。
※次の法人(参考)欄をご参照ください。
 
③相続税・贈与税
相続開始時・贈与時の時価で評価されます。
※上場株式のような評価基準がまだないため、早急な取り扱いの手当てが求められます。
 
(2)ビットコインの課税関係(法人)
①法人税
ビットコインの売却損益は所得とされ、他の所得と同様に法人所得とされます。
 
法人の事業内容から、場合により、「短期売買商品」として時価評価の適用が検討されます。
 
②消費税
ビットコインの取引は非課税資産の譲渡等に該当するため、消費税の対象となりません(平成29年7月1日改正)。
国内取引であれば消費税の非課税取引となり、国外取引であれば消費税の対象外取引となり、ともに消費税はかかりません。

例えば、仮想通貨の売買取引の場合、仮想通貨の交換業者が国内にあるのか、国外にあるかで消費税の課税関係が変わることになります。
 
≪例示:本体価格100円のビットコインの売買取引 ≫
①国内取引として非課税となるケース
 国内の交換業者     →      法人
          ビットコインの譲渡
  100円(非)           108円(非)
 
②国外取引として不課税のケース
 国外の交換業者     →      法人
          ビットコインの譲渡
  100円(不)            100円(不)
 
なお、法人の事業内容や課税状況から、場合により、「棚卸資産」として、消費税の調整規定が検討されます。
 
ちなみに、ビットコインと商品・サービスとの交換は、非課税資産の譲渡に該当します。


交換する場合の取扱いも参考にみておきましょう。

 

≪例示:本体価格100円のビットコインと商品・サービスとの交換取引≫
国内における本体価格100円のビットコインと商品・サービスとの交換取引
 
これを仕訳でみると、
(商品orサービス)93/(ビットコイン)100
(仮払消費税等)  7/

 

また、外為法に規定する支払手段に仮想通貨が追加されたため、課税売上割合の計算上、分母(非課税売上高)に含める必要がないことから、課税売上割合にも影響しないこととなりました。

 

なお、ビットコインの売買取引と交換取引は、仮想通貨という支払手段の譲渡として、消費税法では取り扱われます。

 

◇参考:経過措置
平成29年7月1日からの仮想通貨の非課税化(改正)に関連して、同年6月30日に税抜100万円以上の仮想通貨を保有する場合、所定の部分*が仕入税額控除の適用不可とされます。これは、仕入税額控除を目当てにした駆け込み購入を牽制する目的があるようです。


*所定の部分とは、平成29年6月30日保有の仮想通貨のうち、平成29年6月1日から30日までの平均保有数量より増加した部分です。

 

このため、平成29年6月中の仮想通貨取引の税務処理には注意が必要です。
 
改正後の取扱いは以上のとおりと考えますが、課税庁の公表情報を確認したほうがよいでしょう。
 
なお、イーサリアムやリップル、ライトコインなど他の仮想通貨についても同様の取扱いになると考えられます。

 

(税理士 橋本ひろあき)