投資会社や一般事業会社などの法人が、株式*を証券会社を介して売買したり、他の法人と相対売買する場合には、特に支払調書を作成する必要はありません。
しかし、法人が国内において個人から相対などで株式*を取得する場合には、「株式等の譲渡の対価等の支払調書」の提出が必要になります。
*株式には、上場株式だけでなく非上場株式も含まれます。
(1)根拠法令
所得税法225条①十
(2)支払調書≪個人と株式購入取引をした場合≫
見本参照
(3)提出期限(一般のケース)
支払の確定した日の属する年の翌年1月31日
また、(2)とあわせて(同)合計表を作成して提出する必要があります。
なお、次の場合には、提出期限の特例があります。
1回の支払ごとに支払調書を作成する場合には、支払確定日(記名)又は支払った日(無記名)の翌月末日になります。(措法38①)
参考:質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
「株式等の譲渡の対価等の支払調書」については、「同一の居住者等に対する1回の支払ごとに作成する場合には、その支払金額が30万円以下の場合は、提出を要しない。」とのことですが、「1回の支払ごとの支払金額」とは、どのように判定するのですか。
【回答要旨】
その譲渡した株式の銘柄及び単価の異なるものごとに判定します。
1回の支払ごとに「株式等の譲渡の対価等の支払調書」を作成する、いわゆる「特例方式」は、証券会社の株式の取引実態を考慮し、実務上の取引把握形態に沿う形で提出できるよう規定しているものです。
したがって、銘柄が異なる場合はもちろんのこと、同一銘柄であっても、取引時間が違うことにより単価が異なる場合にも、それぞれ別個に金額基準を判定して差し支えありません。
【関係法令通達】
所得税法第225条第1項、所得税法施行規則第90条の2、租税特別措置法第38条、租税特別措置法施行規則第18の17
(税理士 橋本ひろあき)
■支払調書(見本)
