住宅ローン控除は、所得税の税額控除の中で最も節税効果の高いものになっています。
したがって、購入する住宅がその適用対象になるのかならないのかは大変重要な問題です。
ほとんどの方は新築住宅を購入されると思いますが、最近の住宅価格高騰から、大都市圏ではあえて中古住宅を購入される方も見られるようになりました。
この記事では、どのような中古住宅なら住宅ローン控除の適用対象になるのかみていきたいと思います。
(1)築年数(経過年数)基準を満たしたもの
家屋が建築された日からその取得の日までの期間が20年(マンションなど耐火建築物㊟の建物の場合には25年)以下であるもの
㊟「耐火建築物」とは、建物登記簿に記載された家屋の構造のうち、建物の主たる部分の構成材料が、石造、れんが造、コンクリートブロック造、鉄骨造(軽量鉄骨造は含まない。)、鉄筋コンクリート造又は鉄筋鉄骨鉄筋コンクリート造のものをいいます。
(2)耐震基準を満たしたもの
地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるもの(耐震基準)に適合する建物㊟(平成17年4月1日以後)
㊟耐震基準に適合する建物とは、
①その家屋の取得の日前2年以内に耐震基準適合証明書による証明のための家屋の調査が終了したもの、
②その家屋の取得の日前2年以内に住宅性能評価書により耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)に係る評価が等級1、等級2又は等級3であると評価されたもの、
③既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されているもの(住宅瑕疵担保責任法人が引き受けを行う一定の保険契約であって、その家屋の取得の日前2年以内に締結したものに限る。)
をいいます。
(3)(1)又は(2)を満たしていないものの耐震改修工事をすることで耐震基準を満たすもの
(1)又は(2)のいずれにも該当していない一定のもの(要耐震改修住宅)のうち、その取得の日までに耐震改修を行うことを申請し、かつ、居住の用に供した日までにそ耐震改修工事をすることで家屋が耐震基準に適合することにつき証明がされたもの(平成26年4月1日以後)※(2)を緩和
また、必要書類として、
(1)に該当する場合は
家屋の登記事項証明書
(2)に該当する場合は
次のいずれかの書類
①耐震基準適合証明書(その家屋の取得の日前2年以内にその証明のための家屋の調査が終了したもの)
②建設住宅性能評価書(その家屋の取得の日前2年以内に評価されたもので、耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)に係る評価が等級1、等級2又は等級3であるもの)の写し
③既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約(住宅瑕疵担保責任法人が引き受けを行う一定の保険契約であって、その家屋の取得の日前2年以内に締結したもの)に係る付保証明書
(3)に該当する場合は、
耐震改修工事の請負契約書(耐震改修をした年月日及び耐震改修に要した費用の額を明らかにするもの)及び
次のいずれかの書類で、家屋の取得の日前に申請等が行われたもの。
①建築物の耐震改修計画の認定申請書の写し及び耐震基準適合証明書
②耐震基準適合証明(※仮)申請書の写し及び耐震基準適合証明書
③建設住宅性能評価(※仮)申請書の写し及び建設住宅性能評価書(耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)に係る評価が等級1、等級2又は等級3であるもの)の写し
④既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約の申込書の写し及び既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約に係る付保証明書など
※家屋の取得の日(引渡し)までに申請が困難な場合は仮申請書の写し
㊟その住宅の耐震改修に関し補助金等の交付を受けている場合には補助金等の額を証する書類、住宅取得等資金の贈与の特例の適用を受けている場合には、住宅取得等資金の額を証する書類の写しも。
をそれぞれ取り寄せることになります。
とくに、耐震基準適合建物や要耐震改修住宅については、どちらに該当するかで必要な書類が変わりますので注意が必要です。また、申請日や証明日、取得日や入居日のタイムラインを意識することが必要です。
要耐震改修住宅については、節税メリットと耐震改修費用や申請・証明などのコストを比較して購入検討することが望まれます。
(税理士 橋本ひろあき)