太陽光発電事業には、さまざまなリスクがありますが、その一つに自然災害リスクがあります。
大雨や落雷、台風などの風水害や地震、飛来、竜巻などの自然災害により発電設備の損害が発生するリスクです。
自然災害による発電量の減少や突然のシステム故障は非常に大きな問題です。
自然災害に遭った場合には大きな損失が発生するため、それに備える保険加入(保険付保)が欠かせません。
(1)メーカー補償としての保険付保
初期導入費用に保険料が上乗せされていることが多いです。メーカー指定の損害保険に加入することになります。
※サービス補償として、保険料をメーカーが負担している場合もあります。
(2)自助努力での保険付保
発電事業者自らが保険料の負担をして、保険会社と契約するものです。
自身が必要とする補償内容で損害保険に加入できるメリットがあります。
また、加入できる保険には大きく3つあります。
①火災保険
馴染みのある保険ですが、補償内容が物足りないケースや補償対象外のことがあります。
②動産総合保険
文字通り、「動産」に関するものであるため、可動(パネル着脱可能)の発電設備向けです。
火災保険よりも補償内容が広範囲です。
③企業(事業)総合保険
「不動産」とされる発電設備向け(パネルが土地定着したもの)です。
保険会社により売電収入の補償特約もあります(休業補償のようなもの)。
保険料率は、保険により異なりますが、おおむね0.3~3.0%といわれています。
<例示:保険料>
発電設備1,000万円に火災保険を付保する場合
保険金額1,000万円として火災保険料率2.0%のケース
∴保険料は1,000万円×2.0%=20万円(1年間)
リスクに万全を期すことは大切ですが、保険料によって収益が過度に悪化しないように、適度・適切な保険に加入することが重要です。
(税理士 橋本ひろあき)