法人税の納税額が多くなり納税負担が一度期に重くなってしまう法人のために、納税額を分割前払いする中間申告制度が用意されています。
この中間申告制度は、他の税目の消費税などでも採用されています。
この記事では、法人税の中間申告制度を見ていきたいと思います。
(1)中間申告回数について
法人税の場合、中間申告回数は、半期分の年1回です。
(2)中間申告額について
法人税の中間申告額は、 「前年度の法人税年額÷2」となります。
(3)申告期限・納付期限について
中間申告の申告期限ですが、中間申告期間(半期)を経過した日から2月以内とされています。
納付期限も同様とされています。
また、当該期限までに申告がない場合には、上記(2)の金額で中間申告があったものとみなしますので、納税が遅くなれば延滞税が課されることもありますので注意が必要です。
(4)例示
例えば、3月末決算法人で、前年度の法人税年額が120万円だった場合、
中間申告回数は、年1回
中間申告額は、120万円÷2=60万円
申告期限・納付期限は、4~9月の半期分につき、11月末日が期限
となります。
(5)仮決算による場合
上記(2)の計算額より、仮決算をして計算した実額の方が少ない場合には、その実額で申告、納付することもできます。(任意選択制)
(6)中間申告の申告不要制度について
前年度の法人税年額が20万円以下の場合、中間申告は不要とされます。
法人税には、消費税のように、任意の中間申告制度はありませんのでお間違えなく。
(7)地方税との関係
法人住民税や法人事業税(所得割)については法人税と連動するため、法人税で中間申告が必要な場合は、こちらも中間申告が必要になります。※消費税とは連動しないので、消費税として別に判定します。
なお、法人事業税(収入割)については、これとは関係なく必ず中間申告が必要なのでご注意ください。
このように年央頃に思わぬ税負担が発生することがありますので注意してください。
ちなみに、上記(2)の計算による中間申告の場合、実務上、よく「予定申告」と呼んでいます。
※上記算式は簡略化しているので実際のものとは異なります。
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(税理士 橋本ひろあき)