企業版ふるさと納税について

平成28年度の税制改正により企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)が創設されました。

 

現在でも地方公共団体への「寄付」という形で応援はできます。

この場合、「特定寄付金の全額損金算入」という規定(課税所得の減少)によって節税が可能となり、寄付金額の約3割程度(より正確には実効税率の割合)が税軽減されます(従来の効果)。

 

たとえば、仮に実効税率が30%とすると、10万円を寄附したことで軽減される税額は3万円です。

納めるはずだった税金が3万円ほど安くなるので、実質7万円の支出となります。

 

今回創設された「企業版ふるさと納税」では、上記に加えて、新たに寄附金の最大30%が法人住民税などから控除されます(新たな効果)。

新制度では、従来の単純な寄附とは異なり、「各企業が任意の地方自治体に納税できる」という効果があるのです。

 

つまり、寄附した金額の最大30%は実質税金を納めたことと同様になるので、「寄附することで課税所得が減る(従来の効果)」+「寄附金の最大30%は納税したことになる(新たな効果)」という2つのメリットが得られることになります。

 

上記の例でいうと、10万円を寄附したことで軽減される税額は最大6万円(従来の効果3万円+新たな効果3万円)で、実質4万円の支出で済みます。

 

このように企業の実質負担額が小さくなるので、より多くの企業がふるさと納税を通じて地方自治体を支援することが期待されます。

 

~制度の概要~

(1)対象となる地方公共団体

地方版総合戦略を策定する地方公共団体が対象

※東京都や東京23区など一定の団体は対象から外されます。

 

(2)優遇措置の内容

①現行の損金算入措置に加え、法人住民税、法人事業税、法人税の税額控除の措置を創設

※法人住民税と法人税のうち、地方税である法人住民税から優先的に控除

②寄付額に対する税額控除額の割合は、法人住民税、法人事業税、法人税の合計で寄付額の3割

③税額控除限度額は、法人住民税20%、法人事業税20%⚠︎、法人税5% 

※⚠︎地方法人特別税廃止後は15%

④1企業における1事業当たりの寄付額の下限は10万円

⑤本社所在地の地方公共団体への寄付は対象外

 

(3)返戻品は認められない

寄附した企業に見返りとして、経済的利益の供与は禁止されます。

 

(4)適用期限(時限措置)

地域再生法の改正法の施行日から平成32年3月31日までに支出した寄付金について適用されます。

 

(税理士 橋本ひろあき)