借上げ社宅(家賃)の税務

以前、ブログに「借上げ社宅」の節税記事を書いたことがあります。

 

◇過去記事◇

投資会社の節税法⑥(法人名義の支払家賃)

 

この記事では、社宅家賃の相場について、もっと具体的に掘り下げてみようと思います。

 

会社が借上げ社宅として賃借すれば、「支払家賃」は福利厚生費として法人費用になること、そして役員に社宅として転貸すれば、その社宅代として、「支払家賃」の50%㊟を法人収入にする必要性があることは既にお伝えしたとおりです。

 

※理論上は、税務上の適正家賃の収入があればよいのですが、この算定が面倒なため、実務上は支払家賃の50%⚠️とすることがあります。⚠️実際は、20%程度もあれば十分なケースが多くあります。


投資会社でも実はこうした話がよくあるのです。


それでは、税務上の適正家賃とは一体いくらなのでしょうか?

 

それは、貸与する社宅の床面積により小規模な住宅※とそれ以外の住宅(小規模でない住宅)とに分け、次のように計算することとされています。

 

※小規模な住宅

建物の耐用年数が30年以下の場合には床面積が132平方メートル以下である住宅のこと、また、建物の耐用年数が30年を超える場合には床面積が99平方メートル以下(区分所有の建物は共用部分の床面積をあん分し、専用部分の床面積に加えたところで判定します。)である住宅のことをいいます。

 

(1)役員に貸与する社宅が小規模な住宅である場合

次の①から③の合計額が賃貸料相当額になります。

①(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%

②12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/(3.3平方メートル))

③(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%

 

(2)役員に貸与する社宅が小規模でない住宅である場合

役員に貸与する社宅が小規模住宅に該当しない場合には、その社宅が①自社所有の社宅か、②他から借り受けた住宅等を役員へ貸与しているかで、賃貸料相当額の算出方法が異なります。

①自社所有の社宅の場合
次のイとロの合計額の12分の1が賃貸料相当額になります。

イ (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×12%

ただし、建物の耐用年数が30年を超える場合には12%ではなく、10%を乗じます。

ロ (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×6%

②他から借り受けた住宅等を貸与する場合
会社が家主に支払う家賃の50%の金額と、上記①で算出した賃貸料相当額とのいずれか多い金額が賃貸料相当額になります。

 

上記の算式から分かるように、賃貸料相当額の算出には、借上げる建物とその敷地の固定資産税の課税標準額が必要な情報となります。

貸主が他人である場合、この情報をわざわざ教えてもらう(もしくは役所で教えてもらう)必要がでてきます。

これが面倒なため、上記の50%簡便法とすることがあるのです。

 

ただし、この社宅が、社会通念上一般に貸与されている社宅と認められないいわゆる豪華社宅✅である場合は、この算式の適用はなく、時価(実勢価額)を賃貸料相当額としなければなりません。

 

✅いわゆる豪華社宅であるかどうかは、床面積が240平方メートルを超えるもののうち、取得価額、支払賃貸料の額、内外装の状況等各種の要素を総合勘案して判定します。なお、床面積が240平方メートル以下のものについては、原則として、プール等や役員個人のし好を著しく反映した設備等を有するものを除き、上記の算式によることとなります。

 

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(税理士 橋本ひろあき)