(消費税)課税売上割合が一時的に低下した場合の特例の活用

納付する消費税は、次の算式で求められます。
 ・消費税=預かった消費税-支払った消費税
 
支払った消費税のことを仕入税額といい、消費税の計算上控除できる仕入税額のことを控除対象仕入税額といいます。
包含関係は、仕入税額>控除対象仕入税額 となります。
 
では、両者はどうして異なるのでしょうか?


それは、控除対象仕入税額=仕入税額×課税売上割合㊟ として計算されるからです。


㊟課税売上割合
課税売上割合= 課税売上高 ÷ 総売上高(=課税売上高+非課税売上高)

(例示)
課税売上高:8,000万円
非課税売上高:2,000万円
∴課税売上割合=8,000÷(8,000+2,000)=80%
 
上のケースで、仕入税額が600万円だった場合、控除対象仕入税額は480万円(=600万円×80%)と計算されます。
 
したがって、消費税=640万円(8,000万円×8%)-480万円=160万円 と求めることができます。
 
ところで、実際は、課税売上割合が95%以上であれば上の按分計算は不要とされ、100%控除できることになります(特例)。

しかし、当期の課税売上高が5億円を超える場合は、原則どおり按分計算をしなければなりません。
 
本題ですが、もし当期に土地などの売却があり、非課税売上げが多くあった場合、先にみたとおり、課税売上割合が大幅に低下することがお分かりになると思います。
 
そうすると、土地を売ったばっかりに、通常より消費税を多く納税しなければならないはめになります。
 
それでは、事業実態を反映していないということで、通常の課税売上割合(これを、「課税売上割合に準ずる割合」といいます。)の適用を申請することで認めてもらうことができるのです。


手続としては、その事業年度内に「消費税課税売上割合に準ずる割合の適用承認申請書」を(できるだけ余裕をもって)提出することになります。

(税理士 橋本ひろあき)

 

◇拙著「中小企業経営と節税のエッセンス」収録記事◇