法人事業税の分割基準に注意

2以上の道府県に事務所又は事業所(「事務所等」という。)を設けて事業を行う会社は、法人事業税を各道府県に分割して納税することになります。

 

具体的な分割基準は、業種ごとに決められています。

 

例えば、非製造業であれば「従業者の数」と「事務所等の数」、製造業であれば「従業者の数」となっています。

 

ただし、電気供給業などは、これらの基準とは異なっています。

 

㊟複数の事業を行う法人においては、主たる事業についての分割基準を使用します。
主たる事業の判定に当たっては、原則、売上金額の最も大きいものを主たる事業とします。

これによりがたい場合には従業者の配置、施設の状況等により企業活動の実態を総合的に判断します。

 

①従業者の数

従業者の数とは、各事務所または事業所の事業年度の末日現在における数値です。ただし、事業年度の途中に、新設または廃止をした事務所等の場合は、事務所等の所在した月数であん分します。また、事業年度中を通じて従業者の数が著しく変動した場合(各月の末日の人数のうち最も多い数が最も少ない数の2倍を超える場合)は各月の平均となります。

 

(例1)新設した事務所等の場合

事業年度の末日現在の人数 ×  新設の日から事業年度の末日までの月数  ÷ 事業年度の月数

 

(例2)変動の大きな事務所等の場合
各月末日の人数の合計 ÷ 事業年度の月数

 

②事務所等の数

事務所等の数とは、事業年度に属する各月の末日現在における数値を合計した数値です。

 

㊟従業者の数に1 人に満たない端数を生じたときはこれを1人とします。また、計算式中における月数は暦に従って計算し、1 月に満たない端数を生じたときは1月とします。

 

要は、多くの従業員と事務所のある道府県で多く課税しようとするものです。

 

また、この考え方は、法人住民税の法人税割においても採用されていますが、この場合には分割基準は「従業者の数」を使用します。

 

㊟個人事業者が2以上の道府県に事務所等を設けて事業を行う場合も同様の扱いとなります。

 

(税理士 橋本ひろあき)


◇拙著「中小企業経営と節税のエッセンス」収録記事◇