住民税の均等割には、個人住民税の均等割と法人住民税の均等割とがあります。
それぞれ、税額(税率)が異なっています。
※住民税とは、県民税と市民税の総称のことです。
ここでは、法人住民税の均等割をみてみましょう。
まず、法人市民税の均等割は、市内に事務所、事業所又は寮等がある法人に対して、資本金等の額と従業者数(その市内の従業者数㊟)に応じて課税されます。
㊟会社役員は、一般的には従業者には含めませんが、給与の支払いを受ける役員は従業者数に含めます。
(1)均等割が課される法人
①市内に事務所等(事務所又は事業所)がある法人
②市内に事務所等(事務所又は事業所)はないが、寮等㊟がある法人
㊟寮等とは、寮、宿泊所、クラブ、保養所、集会所などの施設で、法人が従業員の宿泊、慰安、娯楽等の便宜を図るため、常時設けられているものをいいます。
※独身寮、社員住宅等のように特定の従業員の居住のための施設は、この寮等にあたりません。
(2)均等割の税率(~主なものを抜粋~)
①資本金等の額を有する法人で資本金等の額が1,000万円以下であるもの
従業者数50人超:12万円
従業者数50人以下:5万円
②資本金等の額を有する法人で資本金等の額が1,000万円を超え1億円以下であるもの
従業者数50人超:15万円
従業者数50人以下:13万円
㊟資本金等の額および従業者数は、その法人の事業年度の末日で判断します。
※「資本金等の額」とは、法人税法第2条第16号に規定する額です。なお、自己株式を取得した場合には、取得価額を資本金等の額から減少します(みなし配当分を除く)。
また、平成27年度税制改正により注意すべき点が2つあります。
①新たな規制
資本金等の額 < 資本金+資本準備金 となる場合、「資本金+資本準備金」がベースとなります。
②無償増減資があった場合の取扱いの変更
資本金等の額に、無償増減資等の金額を加減算することになります。
従来、無償減資をしても、法人税法上の資本金等の額は変わらなかったため、法人住民税の均等割も変わりませんでしたが、この改正により、無償減資した場合には、法人住民税の均等割の負担が減少し得ることになります。
(3)均等割の算出方法
税率 × (事務所、事業所又は寮等を有していた月数) ÷ 12か月
均等割は、事務所、事業所又は寮等が所在する市ごとに課税されるため、特に市をまたいで支店等を設ける際は注意が必要です。
※同じ市内に支店を設ければ、従業者数の合計が50人以下であれば余計な均等割はかかりません。
次に、法人県民税の均等割は、各都道府県が資本金等の額によって税率を決めています。
例えば、山口県の場合、資本金等の額が1千万円以下の場合で、年額21,000円(うち、やまぐち森林づくり県民税が1,000円 )となっています。
(税理士 橋本ひろあき)