ここでは、会社の収益力を判断する際にポイントとなる指標をみてみましょう。
一般的には、売上高経常利益率が引き合いにだされますが、ここでは、売上高営業利益率に重点をあててみようと思います。
本業の稼ぎである営業利益が会社にとって一番の生命線と考えるからです。
(1)売上高営業利益率=営業利益/売上高(%)
売上高営業利益率は、業種ごとにまちまちで、これといった比率はありませんが、一般的に10%程度であれば収益力が高いとされています。
この売上高営業利益率は、単年度だけをみてもあまり意味がなく、数年単位での推移をみることで、問題点や改善点がみつかります。
例えば、売上高営業利益率が低下傾向にある場合、通常次のような問題を抱えていると推測されます。
①売上原価の上昇
仕入単価が上昇しています。円安や燃料費、材料費の高騰の影響ですが、仕入先や仕入条件を見直したりして原価低減を検討します。
②人件費の増加
給与体系や人員(正社員・非正規社員)配置を見直します。
③過剰投資
固定資産の減価償却費や固定資産税の負担が重くのしかかっています。真に必要な投資か、今後の投資計画は代替案を検討します。
④経費の増加
無駄な経費はカットします。
ついでに、売上高経常利益率もみておきましょう。
(2)売上高経常利益率=経常利益/売上高(%)
売上高経常利益率も、業種ごとにまちまちで、これといった比率はありませんが、財務内容の良好な会社は、一般的に売上高営業利益率より高い数値(例えば、12%程度)となり、高い収益力を示します。
なお、収益力指標は、採算の良い(売上総利益率が高い)商品を販売することでも高くできます。
よくいわれるように、付加価値の高い商品を開発・開拓することを忘れてはなりません。
あなたの会社の数値はいくらかご存知ですか?
(税理士 橋本ひろあき)