経営者は、損益より収支の方を気にします。
いわゆる「資金繰り」というものですが、それもそのはず、資金ショートしてしまえば、会社がつぶれてしまうからです。
ここでは、資金繰りを楽にする方法をみたいと思います。
(1)回収サイトと支払サイトを見直す
売上債権(売掛金、受取手形など)の回収サイト:例えば40日
仕入債務(買掛金、支払手形など)の支払サイト:例えば30日
このような状態ですと、常に資金が先に流出してしまうので資金繰りが大変です。
この場合、売上債権の回収サイトの短縮や仕入債務の支払サイトの延長を交渉します。
そうすれば、
売上債権(売掛金、受取手形など)の回収サイト:例えば30日
仕入債務(買掛金、支払手形など)の支払サイト:例えば30日
または、
売上債権(売掛金、受取手形など)の回収サイト:例えば40日
仕入債務(買掛金、支払手形など)の支払サイト:例えば40日
となって、同時期にすることができます。
こうすれば、資金繰りに苦しむことはなくなります。
(2)在庫を調節する
棚卸資産(商品、製品など)の在庫をできるだけ抱えないようにします。
つまり、在庫の仕入れから販売までの期間を短くするということです。
在庫が倉庫の中にあるということは、販売して代金を回収するまでの間、その分のお金が使えないからです。
こうすれば、仕入によって出ていったお金が販売によって入ってくる循環が早くなり、死に金が生まれないことになります。
したがって、在庫の所有日数㊟をできるだけ短くする努力をします。
㊟棚卸資産回転期間(日)=棚卸資産/売上原価×365
なお、会計上、不良在庫(もう明らかに売れない在庫)は棚卸資産評価損を計上することになります。
(3)現金売上げや前受けの割合を増やす
掛売上にこだわらない。
(4)遊休資産を売却する
固定資産税や保守費のコストが浮きます
また、金融機関から融資を受ける際に、決算書や事業計画書のほか、資金繰り表の提出も求められることがあります。
将来の資金繰り表とともに、管理してきた資金繰り実績表も会社の資金トレンドを把握するのに重要です。
そのため、資金繰り実績表(6か月分)と資金繰り予定表(6か月)のトータル1年間分作成しておくとよいでしょう。
最後に、優良企業は、間違いなく、キャッシュリッチ企業でもあるのです。
(税理士 橋本ひろあき)