これまでと同じように事業を展開していては、ジリ貧は避けられないと思います。
企業経営でよく言われる「現状維持は衰退を意味する。」というのは、きっと本当のことでしょう。
つまり、日々の活動に変化を加えなければ、現状の売上げさえままならないということです。
同じ商品を売るなら、売り方を変えなければなりません。
逆に、同じ売り方なら、商品を変えなければなりません。
例えば、私は、「缶コーヒー」を毎朝飲むのですが、毎日のように、飲む「缶コーヒー」が変わります。
まず、新商品は最優先で選んで飲みます。
次に、安くておいしいと思う商品です。
そうすると、そのうち、これまでは飲んでいたけど飲まなくなる商品が必ずでてきます。
これは、その商品が自分の消費枠から外れてしまったということです。
おそらく、人は、際限なく違う商品を求めることはせず、一定範囲のものをローテーションで購入するという消費行動をとるのでしょう。
そのため、一旦、ローテーション組から外れてしまえば、残念ながら、その商品への需要は喪失してしまいます。
会社からすれば、利益機会が失われたということです。
(私の例)
昔は、コカ・コーラ社のジョージア缶コーヒーをよく飲んでいた。
→最近は、サントリー社のボス缶コーヒーを好んで飲んでいる。
また、消費者の買い方が変われば、例えば、ネット通販で買うようになったのならば、新たにネット販売チャネルを開拓しなければ、同じように、利益機会が失われてしまいます。
(私の例)
昔は、家電商品や本を町の書店で買っていた。
→最近は、Amazonなどネット通販で買っている。
要は、同じことを日々繰り返すだけでは、間違いなく、これまであった需要(会社からすれば売上)は減っていくということです。
そうならないように、今の事業を新しく、つまり、これまでとは何かを変えることが必要なのです。
難しい言葉では、経営変革や経営刷新といわれるものです。
その極めつけが、新規事業の立ち上げということですが、この場合には事業リスクも高く、加えて税務リスクも増大してしまうので、事前に綿密な事業計画を練らなければなりません。
なお、税務リスクが高いとは、これまで以上に税金が発生してしまうとか、消費税が不利になるとか(介護事業を行い、非課税売上げが増加して、課税売上割合が低下するなど)、別部門ができてしまい決算申告手続きが複雑になるとか、といったことです。
会社が存続するためには、社会のニーズの変化に機敏に対応することが求められます。
新規事業の立ち上げには、お金をかける(新規投資)こともできますが、今あるもの(経営資源)を創意工夫して済ますこともできます。
(税理士 橋本ひろあき)