消費税の納税義務の判定

消費税は、どういった場合に納税しなければならないのでしょうか?

 

消費税は法人税や所得税と異なり、納税義務の判定を当年度ではなくて、その前々年と前年で行います。


そして、基本的には消費税の課税売上高が1,000万円を超えると納税義務が発生する仕組みです。

 

条文では、

「その事業年度の基準期間(※1)における課税売上高が1,000万円以下かつ、特定期間(※2)における課税売上高が1,000万円以下(給与等の金額により判定する場合は、特定期間中に支払った給与等の金額の合計額が1,000万円以下)の事業者については、その事業年度において行った課税資産の譲渡等につき、納税義務を免除する」、と規定されています。

 

(※1)基準期間

基準期間とは、法人の場合にはその事業年度の前々事業年度をいう。

(※2)特定期間

その事業年度の前事業年度(7月以下のもの等「短期事業年度」を除く。)㊟がある法人は、当該事業年度開始の日以後6月の期間㊟前事業年度が短期事業年度の場合はここでは省略します。

 

先に、基本的には、と書いたのは、条文にあるように、正確には、特定期間においては給与等の支給額による判定も特例的に認められているからです。

 

そのため、実務上は双方を検討し、判定することになります。

 

また、資本金が少ない中小企業の場合、会社設立してしばらくの間、消費税が免除されることがあります。

 

しかし、「資本金の額又は出資の金額が1,000万円以上の法人の設立当初の2年度については、納税義務を免除しない。」という規定があるので、資本金の大きな会社は注意が必要です。


したがって、資本金が1,000万円未満であれば納税義務は免除される、という解釈ができます。

 

これらの知識をベースに事例を考えてみましょう。

 

 (事例)

平成25年4月1日に法人設立・3月末日の年1回決算・資本金300万円
平成25年度:年商900万円(上半期400万円)
平成26年度:年商2,000万円(上半期900万円)
平成27年度:年商3,000万円(上半期1,200万円)
※年商等は税込表示しています。

 

(納税義務の判定)
①平成25年度(平成25年4月1日~平成26年3月31日)
・基準期間なし 
・特定期間なし
・資本金300万円<1,000万円 ∴免税
 
②平成26年度(平成26年4月1日~平成27年3月31日)
・基準期間なし
・特定期間における課税売上高400万円≦1,000万円 
・資本金300万円<1,000万円 ∴免税

 

③平成27年度(平成27年4月1日~平成28年3月31日)
・基準期間(平成25年度)における課税売上高900万円≦1,000万円  
・特定期間(平成26年上半期)における課税売上高900万円≦1,000万円 ∴免税


ちなみに、

④平成28年度(平成28年4月1日~平成29年3月31日)
・基準期間(平成26年度)における課税売上高2,000万円>1,000万円  ∴課税

⑤平成29年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日)
・基準期間(平成27年度)における課税売上高3,000万円>1,000万円  ∴課税


(税理士 橋本ひろあき)