平成26年分確定申告の留意事項㊤

平成26年分の確定申告の時期がやってきました。

 

平成26年分の申告にあたって、確認すべき事項などをみてみましょう。

 

(1)給与所得(特定支出)の活用(確認事項)

①「特定支出」の範囲が拡大されています。…給与等の支払者により証明された次の支出(非課税とされる収入により補填される部分を除く)

・最も経済的かつ合理的な通勤のための通常必要と認められる支出※非課税となる通勤手当は含まれない。

・転任に伴う通常必要と認められる支出

・職務の遂行に直接必要な技術・知識を習得するための研修を受講するための支出

職務の遂行に直接必要な資格を取得するための支出…弁護士・公認会計士・税理士など

・転任に伴い配偶者との別居を常況とすることとなったこと等につき勤務場所(居所)と配偶者等の居住する場所との間の旅行に通常要する支出

職務の遂行に直接必要な次の支出(65万円限度)…勤務必要経費

イ.書籍等・制服等を購入するための支出

ロ.給与等の支払者の得意先等に対する接待、供応、贈答等のための支出

 

②特定支出控除の適用の判定基準が緩和されています。

・給与所得金額の原則…給与収入金額-給与所得控除額

特定支出が給与所得金額の50%相当額(収入金額が1,500万円超の場合は125万円)を超える場合

 …(給与収入金額-給与所得控除額)-その超える部分の金額

 

また、適用にあたっては申告書に所定事項の記載(所法57の2)や勤務先の証明書の添付等が必要となります。

 

㊟以前より、適用しやすくなったとはいえ、適用者はまだまだ少ないです。

平成25年分確定申告での給与所得者の特定支出控除適用者は約1,600人(平成23年分の4人、平成24年分の6人からは急増)。

 

(2)所得控除の活用(確認事項) 

①雑損控除

②医療費控除

③寄付金控除

これらは、サラリーマンでも確定申告しなければ控除が受けられません。

※年末調整の対象外のためです。

 

該当者は、最も適用の多い医療費控除はもちろん、最近人気の「ふるさと納税」の寄付金控除も漏れなく活用しましょう。

また、自身のほか、大学生・専門学校生などのお子様の国民年金保険料を支払っている場合は、社会保険料控除の対象として所得控除ができますので、年末調整で未済の方は是非ともご活用ください。

 

(3)所得税額控除の活用(確認事項)

①配当控除(配当所得について総合課税を選択した場合)

②住宅ローン控除等(初年度)

③寄付金税額控除

これらは、サラリーマンでも確定申告しなければ控除が受けられません。

※年末調整の対象外のためです。

 

ただし、②住宅ローン控除は2年目からは年末調整でも控除可能です(会社で控除が受けられます)。

なお、配当金を総合課税にした方が有利となるケースが多くありますので、申告を検討してみましょう。

 

(4)上場株式等の譲渡損失の繰越(留意事項)

①平成26年分で譲渡損失があった場合は、翌年以降に繰り越す手続きが必要です。

②繰り越した譲渡損失がある場合、平成26年分の譲渡所得から控除するための手続きが必要です。

③本年中に取引がなくても、譲渡損失を繰り越すためには、継続申告が必要です。

 

もし、平成25年分以前において発生した譲渡損失の申告をしていなかった場合の対応は複雑ですから税務専門家にご相談ください。

<基本的考え方>

※当初確定申告書の提出がなければ、「期限後申告」により譲渡損失を申告することで救済されますが、当初確定申告書の提出をした場合で、上場株式等の譲渡損失は申告を失念したケースについては、「特定口座(源泉徴収選択口座)」では申告不要を選択したことになるため、「更正の請求」や「更正の申出」はできません

一方、当該ケースについて「特定口座(簡易申告口座)」と「一般口座」では「更正の請求」や「更正の申出」により救済されます。

 

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(税理士 橋本ひろあき)