絵画の財産評価はかなり曖昧で困難だと思います。
絵画の収集を趣味にしている人にとっては価値があるものでも、興味のない人にとってはあまり価値を感じないものだからです。
実際には、相続財産としての絵画の評価については、 財産評価基本通達で「書画骨とう品」として次のように規定されています。
(書画骨とう品の評価)
135 書画骨とう品の評価は、次に掲げる区分に従い、それぞれ次に掲げるところによる。
(1) 書画骨とう品で書画骨とう品の販売業者が有するものの価額は、133≪たな卸商品等の評価≫の定めによって評価する。
(2) (1)に掲げる書画骨とう品以外の書画骨とう品の価額は、売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価する。
一般家庭における相続財産の評価にあたっては、135(2)に基づきます。
いわゆる「時価評価」ということになりますが、これは本当に難しそうです。
美術年鑑に掲載されているような絵画となれば、慎重に鑑定評価することをおすすめいたします。
ちなみに、美術品の「鑑定士」というのは、法律上存在しません。
自称「鑑定士」「鑑定会社」の中には実態の数十倍もする査定をしてしまうケースがあるようです。
納得がいく適切な鑑定額の査定が求められます。
なお、趣味的な飾り絵などは、家庭用財産の一つとして、他とまとめて評価して差し支えないと考えます。
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※参考
美術年鑑はあくまでも目安として使います。
年鑑の値段はその作家の最高値、最高傑作の値段といえます。
なお、精通者は、実態売買の値段(現在の流通相場)での評価を行います。
(税理士 橋本ひろあき)