太陽光発電の事業化の流れ

太陽光発電の事業化には、大きく分けて3つの段階があります。
 
(第一段階)企画設計 ※系統接続申込 →(第二段階)建設 →(第三段階)供給 ※稼働(売電開始)
 
まずは、企画設計です。ここでは、事業目的や事業主体を明確にした上で、立地調査や基本設計を行い、事業化の可否を詰めます。事業化が決定すると、発電所全体の詳細設計を行い、発電予定地からの系統接続の可否について、電力会社に検討を申し入れます。電力会社から接続可能の回答を得た後※、電力会社と各種の契約を交わし、建設段階に入ります。メガソーラー(出力1メガワット(1000kW/キロワット)以上の大規模な太陽光発電のこと)の場合㊟、約4~6か月を要します。必要な設備が完成した段階で実際に系統に接続し、試運転を行います。ここで最終的な調整を行い、供給段階の売電開始となります。
㊟低圧10~50kWの産業用の場合、工期は通常2週間程度です。


※電力会社との系統接続の申込み手続き
(注)再エネ法においては、①設備認定を受けた時と、②系統連携に関する契約の申込み書類を電気事業者が受領した時の両方の手続が完了した時点の買取条件が適用される旨規定されています。
ただし、実務上は、電力会社に対して接続申込みの手続を行う際には、経済産業省の設備認定手続きを完了している必要があるため、接続申込みした時点の買取条件が適用されると考えてよいでしょう。㊟


平成27年4月1日からルールが変更されました。

平成27年4月1日以降については、経済産業省の設備認定を受けた上で、電力会社との系統接続契約が締結された日の買取条件が適用されます。
ただし、発電事業者の責によらず、接続契約申込みの受領の翌日から270日を経過した日までに接続契約締結に至らない場合、270日を経過した日の調達価格が適用されます(「270日ルール」)


また、接続契約締結後に以下の変更認定が行われた場合、変更認定日の時点で調達価格が見直されます。
①運転開始前の発電出力の変更。
ただし、10kW 未満又は20%未満の出力減少、電力会社の接続検討の結果に基づく出力変更、10kW 未満の発電設備の出力変更(変更後も10kW未満の発電設備である場合に限る)を除く。
②運転開始前に太陽電池のメーカー若しくは種類(単結晶シリコン、多結晶シリコン、薄膜半導体、化合物半導体)の変更、又は変換効率の低下を行う変更認定。
ただし、当該変更前のメーカーが当該変更前の種類の太陽電池の製造を行わなくなった場合、10kW 未満の発電設備の場合を除く。
③運転開始後に発電出力を増加させる変更。
ただし、10kW 未満の発電設備の出力増加(変更後も10kW 未満の発電設備である場合に限る)を除く。


なお、制度開始3年間に限った利潤上乗せの「利潤配慮期間」が平成27年6月30日で終了するため、「利潤配慮期間」の買取価格の適用するためには、設備認定を受けた上で、平成27年6月30日までに電力会社との接続契約を締結する必要があります。


※「買取条件の適用」とは、一種の権利の獲得を意味し、例えば平成27年度の買取条件を受けた事業者は、平成27年度の買取価格・買取期間によって、電力会社と受給契約を締結できるということです。したがって、供給開始時期については、電力会社との協議によりますので、平成27年度中に売電を開始しなければならないわけではありません。(仮に平成28年度にずれこんでも、平成27年度の買取価格:税抜@27円㊟・買取期間:20年に拠ります。㊟利潤配慮期間においては、税抜29円)
 
また、最近よくある「分譲型ソーラー」㊟の場合、建設はすでに行われているため、上記のようなわずらわしい手続きは不要ですが、購入条件をよく確認して投資判断をする必要があります。
分譲する企業によっては、土地契約に関するリーガルチェックが甘く、元々の土地所有者や地主との間で契約トラブルに発展するケースが増えているようです。
 
この場合、購入者も少なからず影響を受けますので、前もって土地の権利や使用の契約状況(所有権か賃借権か、あるいは転貸借なのかなど)を確認することが重要です。
 
㊟「分譲型ソーラー」購入時の留意点
通常、購入に際しては下記の手続が必要です。
(1)経済産業省へ
設備認定軽微変更申請(分譲販売業者側が申請)
(2)電力会社へ
太陽光発電の電力販売に関する申込書
 
なお、購入条件によっては、土地賃貸借契約などの手続も別途必要になります。


◇更新履歴

2015年1月8日初稿


(税理士 橋本ひろあき)

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平成27年4月:ルール変更.pdf
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