平成26年分から白色申告者の記帳義務の範囲が拡大されています。
これまで記帳義務がなかった白色事業者でも記帳が必要となったため、新規の記帳対象者が相当増えるといわれています。
こうした動き(どのみち記帳しなければならない)から、これを機会に青色申告に変更される方も多いでしょう。
なお、平成26年分から青色申告にしようとする場合は、平成26年3月17日(月)までに青色申告承認申請書の提出が必要であったため、これから今年分を青色申告にすることはできませんので注意が必要です。
※平成27年分から青色申告にする場合は、平成27年3月16日(月)までに当該申請書を提出しなければなりません。
この青色申告にするメリットの一つに青色申告特別控除の適用があります。
この控除には、①10万円と②65万円(複式簿記が前提)がありますが、ここでは②を適用できるものとして検討を進めてみたいと思います。
ちなみに、②65万円にする最大のネックはいわゆる貸借対照表(B/S)を作成する手間がかかってしまうことにあります。
♦青色申告特別控除65万円を適用した場合のメリット
①所得税が減らせます
仮に、累進税率が10%までかかっていた場合、65万円×10%=6.5万円安くなります。
※加えて復興特別所得税6.5万円×2.1%=1,365円も軽減できます。
②住民税が減らせます
税率一律10%なので、65万円×10%=6.5万円安くなります。
③国民健康保険料が減らせる場合があります
所得割の賦課標準額が65万円減りますので、
宇部市の場合、40歳以上で、65万円×15.9%(所得割賦課率)≒10万円程度安くなります。
※ただし、上限額の関係から安くならないケースもありますのでご注意ください。
≪宇部市≫ (医療分) (支援分) (介護分)
所得割 | 賦課標準額×9.90% | 賦課標準額×2.90% | 賦課標準額×3.10% |
したがって、トータルで最大23万円も税金と社会保険料を節約することができるのです。
※会計事務所に決算申告を依頼すれば支払手数料が発生しますが、当事務所の報酬は上記金額の半分もしませんので、やはりお得といえます。
また、白色申告者の中には、税金がどうせ0(ゼロ)だから青色申告特別控除など不要と考えている方もいますが、国民健康保険料で損しているケースもあり得ますので注意が必要です。
青色申告者にはこの他にもさまざまな特典がありますので、まだ白色申告の方はこれを契機に青色申告に変更するとよいかもしれません。
当事務所でも節税額シミュレーションや青色申告化をお手伝いしています。
(税理士 橋本ひろあき)