個人でFX取引を行っている場合で、例えば月額100万円の利益がコンスタントに出ているとき、法人化するメリットはあるのでしょうか?
ご存知のとおり、FX取引は先物取引に該当するため、税金の計算上、先物取引等に係る雑所得として所得税15%・住民税5%の分離課税とされています。
※復興特別所得税として、所得税の2.1%(つまり、15%×2.1%=0.315%)が別途付加されています。(平成49年分まで)
・税額=年間利益1,200万円×20.315%=2,437,800円→約244万円
一方、法人化して、FX法人に利益が1,200万円あるケースは、役員報酬として月額50万円(儲けの半分)支給すると仮定して、
法人に係る税金=(1,200万円-600万円)×23%(中小軽減税率)+7.1万円=約145万円
個人に係る税金={(600万円:年収-174万円:給与所得控除額)-150万円:所得控除額}×20%-97,500円=約45万円
・合計税額=約190万円
このように、法人化した方が、税額が54万円ほど有利になることがお分かりになると思います。
実際は、役員報酬の設定額によって税額が変動し、所得控除額も個人ごとに変わりますので、上記計算例は参考程度に考えてください。
なお、法人化した場合には、各種節税策が、個人と比較すると多種多様に検討・活用できますので、数字以上にメリットが出やすいことを申し添えておきます。
ちなみに、税金上、メリットが出るのは、
法人実効税率+個人実効税率≦20.315% となるときです。
上記計算例では、
12.08%+3.75%=15.83%≦20.315% となっています。
補足すると、「法人実効税率+個人実効税率」の最小値が節税の最適解です。
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