生前贈与は、相続財産を減らすことになるため、相続税対策になることはすでにご紹介したとおりです。
では、贈与先は、子がいいのか、それとも孫がいいのでしょうか?
一概に答えることはできませんが、贈与の仕組みから2つに場合分けをして考えてみたいと思います。
(1)暦年贈与の場合
①推定相続人である子の場合、相続開始前3年以内の贈与財産については、相続財産に持ち戻されます。
つまり、3年以内の贈与が相続税の計算上、なかったものとされます。
②相続財産を取得しない孫の場合、すべての贈与財産は、無関係とできます。
つまり、相続財産減らしが成功したといえます。
(2)相続時精算課税に係る贈与の場合(平成27年1月~)
①推定相続人である子の場合、すべての該当贈与財産について、相続財産に持ち戻されます。
つまり、過去の贈与がすべて相続税の計算上、なかったものとされます。
②相続財産を取得しない孫の場合、すべての該当贈与財産は、無関係とできます????
実は、新改正法では、孫への適用もできるように変わりますが、このところの取扱いがはっきりしていません。
分かり次第、追加記入したいと思います。
(3)孫への贈与は何歳から可能なのか?
未成年の孫の場合、法定代理人が管理すればOKです。
ただし、贈与の総合的な事実がなければいけません。
※形式的では、贈与と認められないということです。
例えば、現金なら、孫名義の銀行口座などに振込み、通帳・印鑑も孫の手元に置かなければおかしいです。
(4)資産課税の流れ
親→子→孫 の資産移転の流れより
親 → 孫 の方が、代々の資産課税の回数が1回少なくて済みます。
※ただし、相続税・贈与税の非課税枠の範囲内なら資産税(相続税・贈与税)はかかりません。
なお、登記費用など移転コストがかかる財産がありますので注意が必要です。
現在、住宅取得資金や教育資金の一括贈与の特例が孫にも適用できますし、将来はジュニア版NISAの創設も検討されていますので賢くこれらの贈与非課税制度を利用するとよいでしょう。
(税理士 橋本ひろあき)