太陽光発電ビジネスの補足記事

太陽光発電に関する税務については既に述べたとおりですが、若干の追加と補足をしておきたいと思います。
 
(1)系統連携工事費負担金の取扱い
太陽光発電設備を電力会社の電力網へ接続するための工事費負担金は、受益者負担ということで発電者が負担するものであり、工事の対象となった計器・送電設備は電力会社の資産であることから、「公共的施設の負担金」となり、繰延資産として計上することになります。よって、太陽光発電設備の取得価額を構成せず即時償却の対象にはなりません。
※繰延資産ですので、20万円未満の場合は即時に損金にできます。
※工事費負担金の償却期間は、「費用の支出の効果の及ぶ期間」により、無形固定資産(無形減価償却資産)である「電気ガス供給施設利用権」の法定耐用年数に準じて15年を適用するのが一般的ですが、契約で定められた受給期間によって償却をするということも合理的な算定方法として認められるようです。

 

(2)生産性向上設備投資促進税制の適用について
事業供用日が平成28年3月31日までの場合に、期限切れのグリーン投資税制の代用として、適用を検討する価値があります。

生産性向上設備投資促進税制においては、設備に関する適用要件として、A類型又はB類型のいずれかの要件を満たす必要があります。

一般社団法人日本電機工業会で、既に、一部のパネルやパワコンについて、先端設備としての証明を交付したとのことなので、先端設備要件(A類型)はクリアできそうです。

また、B類型での適用となる場合には、投資利益率の算定において中小企業等であれば5%以上の要件が必要となります。売電価格の引下げにより、当該数値をクリアできるかが計画上重要となります。

適用要件が細かいので、実際の適用については専門家に相談するのがよいでしょう。

 

(3)固定資産税(償却資産)の特例
太陽光発電設備は、機械及び装置として固定資産税(いわゆる償却資産税)の課税対象になりますが、一定の手続きをすれば、課税標準を2/3に軽減できます。(3年間)
 
適用を受けるための手続としては、取得した翌年1月末までに償却資産申告書を提出する際、申告書の課税標準の特例欄に「特例あり」の旨を記載し、「再生可能エネルギー発電設備の認定通知書」のコピー等を添付することになります。
なお、当該特例は平成28年3月31日まで延長されています。
 
(4)相続税の特定事業用宅地等への該当
太陽光発電設備自体は、機械及び装置であり、構築物ではないため、それ自体が設置された土地については小規模宅地等の特例の適用はできないと考えられます。
 
適用を受けるためには、アスファルト舗装やフェンス設置など構築物とのからみが必要になると思います。
この辺りは、今後の取り扱いの整備が求められます。
 
(5)ソーラーローンの活用
個人・法人形態ともに、日本政策金融公庫の国民生活事業や中小企業事業からの融資が受けやすいと思います。
「環境・エネルギー対策資金≪非化石エネルギー関連≫」として2千万円程度なら融資が受けやすいようです。
 
一方、地元の地銀・信金の対応は各行異なるでしょうからあらかじめ相談するのがよさそうです。
  なお、融資にあたっては、事業計画書(予算案)が必要となります。
 
また、信販会社のセディナやオリコ、ジャックスなども取り扱っています。
 
(6)事業環境の変化
最近では九州電力が、再生可能エネルギー発電設備に対する新規の接続申込の回答を保留する(産業用について)など、新たな課題が出て来ております。また、新規に買い取る場合、買い取り量が抑制される可能性があります。
発電所設置(投資)については将来の動向を見据えて、慎重に検討する必要が以前より増しています。

 

◇改訂履歴

2014年10月1日初稿

 

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(税理士 橋本ひろあき)