晴れて自己出版でき、有り難いことに購読していただいた暁には、アマゾンから印税が支払われることになります。
ここでは、印税にまつわる事柄を何点かまとめておきます。
(1)印税率
印税率は、アマゾンだけの独占販売か否か、マーケットプレイスがどこなのか(国別)で、変わってきますが、35%か70%のどちらかになります。
印税率70%の場合は、別にデータ配信コストが1MB(1,024KB≒約1,000KB)当たり1円かかりますが、漫画など大容量となる場合を除き、ほとんどかかりません。
ちなみに、私の著書の場合は、1冊230KBで1MBにも満たないので、配信コストは1冊あたり1円になります。
一方の印税率30%の場合は、小売価格の30%として、単純計算されます。
こちらは漫画などデータが大容量となる出版物に有利となると考えられます。
実際は、比較検討するとよいでしょう。
ちなみに、データ量は、商品案内の中に記載されていますので、そちらで確認できます。
(2)印税の振込口座
アマゾンの印税は、出版者の届出銀行口座に入されることになります。
米国からの振込になりますので、手数料が気にかかります。
アマゾンでは、振込方法が2通り選択できます。
一つが電子資金振替(EFT)で、もう一つが小切手です。
通常は、前者のEFTによるでしょうから、こちらに絞ってみていきます。
ネット検索してみると、情報が錯綜していて、事の真偽が分かりかねますが、総じて「新生銀行」はEFTにかかる手数料が無料であるということがいえるようです。
私も、「新生銀行」に印税用の口座を開設することにしました。
わざわざ店舗に行かなくても、ネットから開設の申し込みができるので便利です。
無事、口座開設できたら、KDPでの登録情報を変更しましょう。
私は、当初登録の地方銀行から新生銀行に変更しました。
(3)定価の決め方
こちらは各出版者が決めることですので、これというルールはありませんが、参考になればと思い、私の体験談を書かせていただきます。
①定価
印税率70%にしたいため、アマゾン独占販売として、価格も指定レンジの下限2.99ドルとしました。
日本円で300円程度なので電子書籍としては高めといえます。
電子書籍の場合、最低でも紙書籍の定価の半値にしないと売れないと思います。
②ページ数
どうも「1万文字=値段100円=紙20ページ」というのが参考になりそうです。
拙著の場合、4万5千文字程度ですから、
単純計算で450円・紙90ページとなり、
実際の販売価格300円・紙95ページ程度は低めで問題ないといえるのかもしれません。
ちなみに、商品案内にアマゾンが参考として表示してくれます。
おそらく5万文字=紙100ページ程度の分量と推測します。
③コンテンツ
電子書籍市場では、よくいわれるように、ニッチコンテンツが人気を集めると思います。
私の場合は、職業柄、税務・会計・経営分野の記事を執筆していますが、とりわけ「合同会社」というニッチな分野を取り上げているため、そこそこの読者に恵まれています。(感謝です。)
したがって、あなたがそのニッチ分野の第一人者というレベルであれば、あたたが持つ知識やノウハウは十分出版に値するものといえます。
また、コンテンツの量ですが、紙100ページ=5万文字が一つの目安となるでしょう。
読者は通常、通勤や通学途中の空き時間を有効利用するため、小さな電子書籍端末機で読みますから、あまり小難しい長編物だと疲れてしまうはずです。
そのため、拙著はブログ調として、スッと読める格好にしています。
ただ、これは私の例であって、皆さんは各自のコンテンツに一番合った構成で出版するのが
読者獲得の王道といえるでしょう。
是非とも、一個人の埋もれている素晴らしい才能を世の中に発信してください!!
そうすることで世の中の進歩や革新につながるかもしれません。
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(税理士 橋本ひろあき)