相続した非上場株を自社に売却した場合の課税関係

相続人が、被相続人からその経営していた会社の株式を相続し、しばらく後に、当該会社に譲渡した場合(会社からすれば自社株「金庫株」の取得)の課税関係はどうなるのでしょうか?

 

(1)株式の譲渡所得

一般には、会社からの譲渡代金のうち、資本金相当部分を超える部分は「みなし配当」として配当所得の対象とされます。

 

しかし、相続後、その申告期限から3年以内に譲渡した場合には、この超える部分の金額は配当所得とみなされず、株式の譲渡所得に係る収入金額とされます。

 

したがって、この場合には、譲渡代金の全額が非上場株式の譲渡所得に係る収入金額となり、その収入金額から譲渡した非上場株式の取得費と譲渡費用を控除した金額が譲渡所得金額とされ分離課税の対象となります。

 

また、税額としては、その譲渡所得金額の20.315%になります。

(内訳)所得税15%(復興所得税2.1%)+住民税5%

 

なお、この特例を適用するには、譲渡時までに、「相続財産に係る非上場株式をその発行会社に譲渡した場合のみなし配当課税の特例に関する届出書」を会社を経由して、当該会社の所轄税務署に提出することが必要です。

 

(2)相続税額の取得費加算

(1)の計算に当たり、その非上場株式に対応する部分の相続税額を、取得費に加算して控除することができます。

なお、この特例を受けるためには譲渡年分の確定申告が必要です。

 

(税理士 橋本ひろあき)