外貨建て財産・国外財産の財産評価

国内財産でも外貨建てで所有するものや、国外に所在する財産(外貨建て)については、その評価において邦貨換算という問題がでてきます。

 

ここでは、評価と換算アプローチについてみてみたいと思います。

 

(1)外貨建て財産の評価

この邦貨への換算については、原則として相続人の取引金融機関が公表する相続開始日における最終の為替相場(通常17時現在)のうち対顧客直物電信買相場(TTB)又はこれに準ずる為替相場によることになります。

 

また、相続開始日が取引金融機関等の休日に当たり為替相場が公表されていない場合には、相続開始日前の為替相場のうち最も近い日のものによることとされています。

 

(2)国外財産の評価

国外財産の評価について通達の定めは次のようになっています。

 

①国外財産についても、財産評価基本通達に定める評価方法により評価する。

②財産評価基本通達に定める評価方法によって評価することができない場合には、通達の定めに準じて、又は売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価する。

この場合、課税上弊害のない限り、その財産の取得価額が明らかなときには、その取得価額を基にその財産が所在する地域若しくは国における価格動向に基づき時点修正して求めた価額により評価すること、又は相続開始日以後にその財産を譲渡しているときには、その譲渡価額を基に相続開始日現在に時点修正等を行い合理的に算出した価額により評価できるとされています。

 

(3)外国税額控除

国外財産を相続又は遺贈により取得した場合に、その外国において外国相続税が課されていたときは、その外国相続税を、一定の算式によって算出した金額を限度として、その取得相続人の相続税額から控除することができます。(外国税額控除)

 

ところで、この控除を計算する場合には、外国相続税を邦貨換算する必要がありますが、こちらの方は、原則として納付日の顧客直物電信売相場(TTS)によることになりますので注意が必要です。

 

最近は、こうした類の財産をお持ちの方が増えていますので留意しておくとよいでしょう。

 

(参考)<国外財産調書の提出制度>

居住者が、その年の12月31日において、その価額の合計額が5,000万円を超える国外財産を有する場合には、一定の調書をその年の翌年3月15日までに税務署に提出しなければなりません。

(罰則あり)

この制度についての詳細はこちらからご覧いただけます。

 

(税理士 橋本ひろあき)