相続財産になるのならないの!?

今回の記事では、相続財産になるのかならないのかが判断しずらい財産について、その取扱いを整理したいと思います。

 

(1)配当期待権

配当期待権とは、配当金交付の基準日の翌日から配当金交付の効力が発生する日までの間における「配当金を受けることができる権利」をいいますが、この間に相続により株式を取得した場合には、配当期待権も同時に取得することになり、相続財産となります

 

(例)3月決算の上場会社株式

基準日:3月31日

効力発生日:6月30日

相続開始日:5月21日 ∴配当期待権が発生します。

 

この場合の、配当期待権の財産評価ですが、予想配当金額から源泉徴収されるべき所得税等の額を控除した金額によって評価することになります。 

 

(2)受取期日が未到来の家賃

相続開始時において受取期日が未到来である家賃については、既経過分の家賃を含め、その全部が、受取期日において相続人の不動産所得となりますので、相続財産にはなりません

※家賃収入については、契約又は慣習により支払日が定められているものは、その支払日が収入すべき時期とされ、その不動産を相続した相続人の不動産所得となります。

 

(例)6月分家賃

月期間:6月1日~6月30日

支払日:5月31日(当月分を前月末日に支払う)

入金日:5月20日

相続開始日:5月21日 ∴未到来のため、相続人の不動産所得となります。

 

なお、入金額は預貯金等に含まれて相続財産になりますが、支払日が到来していませんので、前受家賃として債務控除することになります。(±0)

 

(3)未支給の国民年金

年金の受給前に死亡した被相続人に対する未支給年金に係る請求権は遺族固有の権利であり、受取時において相続人の一時所得となり、相続財産にはなりません

 

(例)相続開始日:4月7日(年金は死亡した月分まで支給されます)

2・3・4月分の国民年金→未支給年金に該当

支給日①:4月15日(偶数月の15日に前2か月分を支給する)∴2・3月分

支給日②:6月15日(偶数月の15日に前2か月分を支給する)∴4月分

 

また、未支給年金の請求は遺族が行うことになります。

 

なお、厚生年金や共済年金なども同じ取扱いとなります。

 

以上のように、一見するとすべてが相続財産と思いがちですが、そうではありませんから注意が必要です。

 

(税理士 橋本ひろあき)