個人の印税収入の課税関係

個人が本などを出版して印税収入を得る場合、その個人のステータス(生活状況)やその出版基となる知識がどういうものなのかで所得区分が変わることになります。

 

(1)印税収入の所得区分

その個人が、有名な作家や漫画家などで、本や漫画を何冊も出版して十分な印税収入があり、それで生活を送っているような状況であれば、これは紛れもなく個人事業主(個人作家・漫画家)としてその収入は事業所得に区分されます。

 

また、一般のサラリーマンやOL、公務員、経営者などが本業の傍ら、副業で数冊程度の出版をして得る程度の印税収入なら雑所得に区分されます。

しかし、出版本数が大量となり、継続的に出版するようになれば、状況次第ですが事業所得に区分される可能性もでてくると考えられます。

 

なお、私のような士業者が、自らの専門知識を基とした出版物に係る印税収入の場合は、本業の付随収入(雑収入)として事業所得に区分されます。

 

また所得計算上の必要経費としては、資料としての書籍購入代やアマゾンキンドルでの出版であれば通信費やパソコン経費(事業供用分のみ)などが該当します。

 

(2)課税方法

①通常の場合

印税を受取る際に、出版者などが所得税の源泉徴収をし、源泉徴収後の金額が振り込まれることになります。

※所得税(復興所得税含む)の源泉徴収税率

・1回の印税支払額100万円以下…10.21%

・100万円を超える場合は、超える部分については20.42%

 

②米国アマゾン・キンドルの場合

イ)本則30%源泉徴収の場合

印税を受取る際に、米国アマゾンが外国所得税の源泉徴収をし、源泉徴収後の金額が振り込まれることになります。

なお、米国アマゾンは日本国内での支払者ではありませんから、所得税は源泉徴収されません。

ロ)租税条約で源泉徴収免除を受けている場合

印税は、まるごと全部振り込まれることになります。

また、個人の所得状況(サラリーマンであれば、年間20万円超)によっては、確定申告が必要になります。

 

(3)平均課税を受ける場合

印税収入は変動所得に該当するため、次の適用要件を満たせば、5分5乗方式による平均課税を適用することができます。

(適用要件)

その年分の変動所得(その年分の変動所得が前年分及び前々年分の変動所得の平均額以下である場合には専門家までお問合せください。)が総所得金額の20%以上であること

※初年度の場合にも適用があり得ますのでぜひ検討してみてください。

※臨時所得がある場合にも専門家までお問合せください。

 

(4)消費税関係

作家や漫画家はもちろんですが、サラリーマンであってもその執筆等が反復継続しており「事業」として認められる場合には課税されますが、基準期間の課税売上高が1,000万円以下である場合には、納税義務は免除されます。

 

なお、米国アマゾン・キンドルからの印税収入は国外売上に該当しますので、ここでいう課税売上高には含まれません。

具体的には、ウェブ上の商品説明のところで、

販売: Amazon Services International, Inc.

と記載されているものがこれに該当します。

 

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(税理士 橋本ひろあき)