株主優待券の税務処理(消費税)

株主優待券の会計処理についてはすでに見ておりますが、今回は特に消費税の処理についてまとめておきたいと思います。

 

(1)優待を受ける株主側の処理

①電鉄会社などから交付された入場券や切符を使った場合

(旅費交通費)××(雑収入)××

 

これらは、それと引換に一定の物品の給付等を受け、対価のすべての支払義務が免除されるものであるため、物品切手等に該当します。そのため、旅費交通費の全額の消費税が非課税仕入れとなり、仕入税額控除の対象とはなりません。

 

また、雑収入は受増益であるため不課税売上げとなります。

 

※結果として仕訳をしない場合もあります。

 

②電鉄会社などから交付された株主優待割引券や社員優待割引券を使った場合

(旅費交通費)××  (現金)××

          (雑収入)××

 

これらは、対価の一部の支払義務が免除されるものではありますが、それと引換に一定の物品の給付等を受けるものでないため、物品切手等には該当しません。そのため、旅費交通費の割引分の消費税は不課税仕入れとなり、仕入税額控除の対象とはなりません。

なお、現金支払い分については、国内課税仕入れの場合、仕入税額控除の対象になります。

 

また、雑収入は受増益であるため不課税売上げとなります。

 

③贈呈されたクオカードなどを売却した場合

(現金)××(雑収入)××

 

こちらは、物品切手等の譲渡に該当するため非課税売上げとなります。

 

なお、私見にはなりますが、理論的に考えれば、物品切手等に該当する株主優待券を売却した場合は非課税売上げとなり、物品切手等に該当しない株主優待券を売却した場合は不課税売上げになるものと考えられます。

 

(2)優待する企業側の処理

①株主優待券を交付する場合

物品切手等の原始発行であるため、資産の譲渡等に該当せず、課税の対象とはなりません。 

(不課税取引となります。)

 

ちなみに、株主優待券の利用を受ける部分(無償売上部分)については、消費税の受取対価の額に含まれないことになるため、課税標準額を構成しません。

 

②クオカードなどを贈呈する場合

(交際費)××(現預金)××

として、非課税仕入れとなり、仕入税額控除の対象とはなりません。

 

㊟物品切手等

株主優待券で、一定の物品の給付等がその券と引き換えに受けられるものは物品切手等に該当します。

 

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(税理士 橋本ひろあき)