太陽光発電設備の相続税や贈与税での財産評価方法はどうなっているのでしょうか?
ここでは、個人所有の場合と法人所有の場合とに区分して見てみましょう。
(1)個人所有の場合
①住宅用(余剰売電用)
一般動産として財産評価することになります。(評基通129、130)
一般動産の価額は原則として、売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価することになっていますが、売買実例価額等が明らかでない場合は次のように評価します。
(太陽光発電設備は売買実例価額等が明らかでない場合に該当するものと考えます。)「以下同様」
すなわち、課税時期における新品小売価額から償却費の額の合計額又は減価の額を差し引いて計算します。
この場合、小売価格は取得価額で計算しても差し支えないと考えます。
また、償却費の額は200%定率法で償却します。(経過年数は1年未満を切上げ)
なお、耐用年数は、耐用年数省令に規定する耐用年数によります。
②産業用(全量売電用)
一般動産として財産評価することになります。(評基通129、130)
すなわち、課税時期における新品小売価額から償却費の額の合計額を差し引いて計算します。
この場合、小売価格は取得価額で計算しても差し支えないと考えます。
また、償却費の額は200%定率法で償却します。(経過年数は1年未満を切上げ)
なお、耐用年数は、17年になります。
※耐用年数省令別表第2「31 電気業用設備」の「その他の設備」の「主として金属製のもの」に該当します。
注意点として、即時償却しており、備忘価額がない場合でも、上記評価方法によって計算した金額を財産評価しなければなりません。
③所有関係
個人→太陽光発電設備へ投資して直接保有
(2)法人所有の場合
①評価方法
個人所有の場合と同様に評価します。
法人での注意点としては、償却方法は法人税法上定額法を採用していても財産評価上は200%定率法を適用します。
また、即時償却しており、備忘価額がない場合でも、上記評価方法によって計算した金額を自社株の純資産価額評価上は資産計上しなければなりません。
ちなみに、法人所有の場合、相続財産は株式や出資になりますので、自社株評価という形で間接的に関係することになります。
②所有関係
個人→会社(株式や出資持分)へ出資→太陽光発電設備へ投資して間接保有
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(税理士 橋本ひろあき)