投資会社を運営して、良好なトラックレコード(運用記録)を残すことができれば、次のステップとしてスモール・ヘッジファンド(SHF)の運営を行いたいと思うかもしれません。
この場合、GK-TKスキームによるヘッジファンドの組成も可能です。
(スキーム)
①営業者(LLC)
②ヴィークル(匿名組合)
③匿名組合員(一般投資家)
そして、この集団投資スキームにより集めた資金を有価証券・FXなどで運用します。
例えば、私がSHFを運営会社LLC asset mixで組成する場合、
①営業者(LLC asset mix)
②ヴィークル(assetmix匿名組合)
③匿名組合員(一般投資家)
となります。
そして、この集団投資スキームにより集めた資金を有価証券・FXなどで運用します。
問題は、このときに、「自己募集」については金融商品取引業(第二種)の規制が、「自己運用」については投資運用業の規制がかかってしまうことです。
そして、それぞれの規制をクリアにするために金融商品取引業(第二種)の登録と投資運用業の登録を受ける必要がありますが、ともに大変高いハードルとなっています。
そのため、実務上は、自己募集の匿名組合員を49人以下にする、そして適格機関投資家を1名見つけるなどの設計をして比較的簡単にクリアさせることになります。
またこの特例を受けるため、あらかじめ金融庁に「適格機関投資家等特例業務」の届出をすることになります。
※もちろん、50人以上広く募集するために、第二種金融商品取引業者に募集の仲介を依頼すればクリアできます。
ただし、この場合でも、なお投資運用業の問題はつきまといます。(主に有価証券投資業を行う場合には投資運用業の登録が必要です。)
しかし、このGK-TKスキームでは広く勧誘はできないというネックがありますが(ホームページでの募集は可能)、SHFを組成するには十分採用可能なスキームといえます。
なお、このスキームでは、匿名組合契約を「営業者」と「匿名組合員」との間で締結する必要があり、その契約書(いわゆる「ファンド契約書」)の内容はかなり専門的なものになるため、通常は専門家へ外注することになります。
(税理士 橋本ひろあき)
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