事業資産と投資資産の配分比率

これからは中小企業経営にも「投資」という考え方が必要になると思います。

 

「投資」とは資本投下額に対するリーターンを期待する行為であり、「投資効率」はそのリターンの額が多ければ多いほど良いことになります。

 

人・物・お金・情報の備わった上場企業は本業の事業活動のほかに当然のように証券や不動産への投資活動も行っています。

製造業なら子会社への投資が多いのですが、いわゆる財テク目的でも投資資産を保有することが多くあります。

 

そんな余裕資産はないという中小企業が多いかもしれませんが、もし事業利益が出たならば、将来の事業リターンの不透明性に備えるために投資リターンを一定程度確保しておくのが望ましいと考えます。

 

獲得した事業利益の多くは拡大再生産の原資に回すべきものと考えますが、獲得事業利益のうち2割程度は適切なリスク管理の下で、投資資産に振り向けるべきものと考えます。

 

具体的な投資資産には、株式や債券、投資信託、通貨などの金融資産や、アパートやオフィスビル、貸駐車場などの投資用不動産、最近では太陽光発電設備といったものがあります。

 

一方の事業資産には、棚卸資産をはじめ、本社社屋、店舗や工場、器具備品や機械装置といったものがあります。

 

そして会社の資産状況を表す最終的な貸借対照表像としては、事業資産:投資資産=8:2となるように構築していくのが理想的と考えます。

 

また、会社利益の構成も、事業利益:投資利益=8:2となるように志向すべきものと考えます。

 

すなわち、会社の全体活動は、その8割を事業活動へ、残りの2割を投資活動へ充てるのが望ましいといえます。

そうした活動の結果、安定した投資効率の良い利益が生み出され、会社の財務基盤の強化をもたらします。

 

(税理士 橋本ひろあき)