ライツ・オファリングの会計・税務

最近よく耳にする「ライツ・オファリング」の会計・税務について、基礎知識を確認した上でみることにしましょう。

 

(1)ライツ・オファリングとは

ライツ・オファリングとは、新株予約権無償割当のことで、特定株式の保有株主に対し、市場価格よりも低い価格で当該株式を購入できる新株予約権を無償で割り当て、当該株主が予約権を行使することで普通株式を取得することができ、発行会社にとってはその権利行使に応じて資金調達できる増資手段の一つとなります。

 

(2)一般的なスケジュール(小僧寿し第3回新株予約権のケース)

①本新株予約権の割当基準日:平成26年3月19日(水)

②本新株予約権の株主確定日:平成26年3月25日(火)

③本新株予約権の市場における売買可能期間:平成26年3月26日~平成26年5月16日

④新株予約権の権利行使期間:平成26年4月28日~平成26年5月23日

 

※上記のように、新株予約権の売買可能日と権利行使期間には相違がありますので取引期間に注意が必要です。

 

(3)ライツ・オファリングの種類

権利行使期間が終了した後の新株予約権の取扱いによって、次の2種に分類されます。

①コミットメント型

 発行会社が買取り、その対価として「配当金領収書方式」で交付財産が支払われます。

 ※交付財産の額は、発行会社によって異なり、0円となる可能性もあります。

②ノンコミットメント型

 失権(消滅)します。

 

(4)ライツ・オファリングによる新株予約権の取引の特徴

①一定期間上場され、取引所にて売却できます。

②手数料は、現物取引手数料体系が適用されます。

③権利行使にかかる手数料は無料です。

④無償で割り当てるため、原則、取得単価は0円となります。

⑤信用取引は行えません。また、原則、信用取引の代用有価証券とすることもできません。

 

(5)会計処理

①無償割当時

仕訳なし(無償取得のため)

 

②権利行使時

(投資有価証券)××(現預金)××

※あらかじめ定められた価格(行使価格)で取得できます。

 

③権利未行使

(イ)コミットメント型

(現預金)×× (投資有価証券売却益)××

※交付財産の額から費用を引いた額

(ロ)ノンコミットメント型

仕訳なし(失権のため)

 

④権利売却時

(現預金)×× (投資有価証券売却益)××

 ※売却代金から費用を引いた額

 

(6)法人税務

①無償割当時

課税関係なし

 

②権利行使時

課税関係なし

 

③権利未行使

(ィ)売却益が益金に算入されます。

   なお、証券手数料は、支払手数料として損金に算入されます。

(ロ)課税関係なし

 

④権利売却時

売却益が益金に算入されます。

なお、証券手数料は、支払手数料として損金に算入されます。

 

(参考)個人税務

①無償割当時

課税関係なし

 

②権利行使時

課税関係なし

 

③権利未行使

(ィ)売却益が株式等の譲渡所得となり、税率20.315%で申告分離課税されます。

   なお、未行使の新株予約権は上場廃止となった時点で特定口座から払い出されますので特定口

   座での計算対象となりません。

(ロ)課税関係なし

 

④権利売却時

売却益が株式等の譲渡所得となり、税率20.315%で申告分離課税されます。

なお、特定口座での取引も可能です。

 

(参考リンク)SBI証券「ライツ・オファリングについて」

 

(税理士 橋本ひろあき)