ファンド組成(匿名組合方式)の税務(匿名組合員)

匿名組合員としては個人と法人が考えらえますが、ここでは投資家として法人匿名組合員をみてみましょう。

 

法人匿名組合員の法人税の計算については、次のとおり留意すべき事項があります。

 

(1)益金及び損金の計算

法人が匿名組合員である場合におけるその匿名組合営業について生じた利益の額又は損失の額については、現実に利益の分配を受け、又は損失の負担をしていない場合であっても、匿名組合契約によりその分配を受け又は負担をすべき部分の金額をその計算期間の末日の属するその法人の事業年度の益金の額又は損金の額に算入します

 

個人が匿名組合員である場合には、現実の財産分配(利益の配当)の額を所得とするのですが、法人が匿名組合員である場合には、計算期間の損益が法人匿名組合員の各事業年度の所得に算入されることになります。

 

(会計処理例) 

①利益の場合

(有価証券)100(匿名組合投資利益)100

 

②損失の場合

(匿名組合投資損失)100(有価証券)100

 

(2)匿名組合損失の特例

匿名組合の法人組合員のうち「特定組合員」については、法人税上、特例計算が設けられています。

 

①組合損失超過額の損金不算入

・調整出資等金額200

・匿名組合損失300(×1年目)

損金不算入100 ∴組合損失のうち、調整出資等金額を超過する金額(組合損失超過額)

 

②組合損失超過合計額の損金算入

・組合損失超過額100

・匿名組合利益200(×2年目) 

損金算入100 ∴組合損失超過額のうち、当年度の組合利益に達するまでの金額

 

(参考)

個人匿名投資家については、現実の財産分配額が、一般に分配確定年分の雑所得の総収入金額又は必要経費に算入されます。

ただし、共同事業性が高い場合などは、営業者の営業内容に従い、事業所得又はその他の各種所得となる場合がありますので注意が必要です。

 

(税理士 橋本ひろあき)