異なる容積率の地域にわたる宅地の財産評価

今回は容積率が関係する土地評価についてみてみましょう。

 

○容積率が土地価額(路線価)に与える影響

建築基準法は、道路、公園、上下水道等の公共施設と建築物の規模との均衡を図り、その地域全体の環境を守るために、容積率の最高限度を定めており、この容積率は道路幅員などと同様に、土地の価額に影響を与えるものといわれています。

 

通常、容積率は、一定の地域ごとに面的な広がりをもって指定されていますから、路線価は、各地域の容積率を反映したものとなっています。一般的に、1街区のうち表道路に面する地域と裏道路に面する地域とで容積率が異なる場合には、路線価も異なるものになります。

 

○異なる容積率にわたる場合の減額調整

しかし、表道路に接する1画地の宅地が裏道路の異なる容積率の地域にわたる場合、その宅地は、表道路に面する地域の容積率を反映した正面路線価を基として奥行価格補正などの画地調整を行って評価しただけでは、その宅地が、表道路に面する地域の容積率と異なる容積率の部分を有しているという個別的要因が評価額に反映されないことになります。

 

そこで、容積率の異なる2以上の地域にわたる1画地の宅地について、容積率の相違(格差)による個別事情(影響度)を一定の評価方法によって減額調整して評価しています。

 

○基本的事例

考え方としては、高い容積率の正面路線に接した宅地が、容積率の低い地域に渡っている場合にこの減額調整があるといえます。

 

(参考)

余剰容積率の移転がある場合の宅地の評価

①移転している宅地

利用価値が低下するため、一定の減額があります。

②移転を受けている宅地

利用価値が高まるため、一定の増額があります。

 

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(税理士 橋本ひろあき)