平成26年度の税制改正大綱に「ゴルフ会員権」の個人税務の取扱いの変更が記載されています。
税務専門紙の「国税速報」によると
生活に通常必要でない資産の範囲の拡充
として
譲渡損失の他の所得との損益通算及び雑損控除を適用することができない生活に通常必要でない資産の範囲に、主として趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有する不動産以外の資産(ゴルフ会員権等※)を追加することとされています。
※リゾート会員権も含まれます(注:橋本)
そして、備考として
「ゴルフ会員権」は、その資産が「権利」であり、「不動産・動産」に該当しないことから、「生活用動産」及び「生活に通常必要でない不動産・動産」のいずれにも該当せず、その譲渡損失が他の所得との損益通算が可能となっていました。
とあります。
なお、上記の改正は、平成26年4月1日以後に行う資産の譲渡等について適用することとされています。
このことにより、含み損を抱えたゴルフ会員権は、平成26年3月末日までに譲渡すれば給与所得や事業所得等と損益通算ができることになります。
また当該改正は個人課税に係るもので、法人課税には影響ありません。
つまり法人が所有するゴルフ会員権の譲渡損益や倒産・預託金返還にかかる損益は従前通りに法人税法上の益金又は損益となります。
今後は資産運用会社でゴルフ会員権等に投資するのも面白いかもしれません。
法人税率は今後更に低下する見込みですし、万一の譲渡損失でも欠損金の繰越控除が利用できます。
もちろん、新規に個人で投資するのも税優遇(長期譲渡益の場合)が受けられますので名案といえます。ただし今回の改正により譲渡損失は救済されなくなります。
この改正により個人の節税目的の売りものがなくなり、また景気回復による相場好転で、ゴルフ会員権やリゾート会員権の価値が上昇すると考えられます。
(税理士 橋本ひろあき)