太陽光発電事業の法人税務

前回は個人経営の場合でしたが、

今回は法人経営で太陽光発電事業を行っている場合の税金上の取り扱いをみてみましょう。

 

個人的には、合同会社で太陽光発電事業を行うのも「あり」だと思います。

この場合、定款には「発電事業及び売電事業」などとして記載すればよいと考えます。 

 

①収益計上

法人には、個人のように所得区分というものはないため、次の収入はどちらも法人の収入(収益)として益金の額に算入されます。

 

・太陽光発電設備による余剰電力の売却収入

・太陽光発電設備により生じた電力の全量売電収入

 

※他の法人収益(売上高)があれば合計されます。

 

②太陽光発電設備に係る減価償却

太陽光発電設備(機械及び装置)の耐用年数は基本的には17年となります。

(ただし、建物との一体型は、建物の一部を構成することから、その「建物」の各耐用年数に該当します。)

 

③エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除

青色申告法人が設置した太陽光発電設備がエネルギー環境負荷低減推進設備等※に該当すれば、適用が受けられます。

その場合、次の中から、法人有利なものを選択適用できます。

・30%の特別償却(平成28年3月末まで)

・7%の特別税額控除(〃)

・100%即時償却(平成27年3月末まで)

ただし、特別税額控除の対象は中小企業者等のみです。

※太陽光発電設備(10kW以上の産業用)など

※国又は地方公共団体の補助金等をもって取得等したものは対象外

※設備を取得後、1年以内に事業供用(系統に連携して売電開始)しなければなりません。

 

これらの適用にあたっては、確定申告の際下記書類の添付が必要です。

・固定価格買取制度の申請書の写し

・経済産業大臣の認定書の写し

 

④消費税の節減や還付

太陽光発電設備等(土地等は除く)は課税仕入れに該当するため、仕入税額控除の対象になります。(本則課税の場合)

 

ただし、新規法人(資本金の額が1000万円未満の法人)は、あえて課税事業者を選択することで消費税の還付を受けられる場合があります。しかしこの場合、3年間は課税事業者が強制されるので注意が必要です。

※新設法人(資本金の額が1000万円以上の法人)は設立当初から2年度は課税事業者とされます。

 

なお、簡易課税選択事業者は、本則課税とするために、設備投資年度の前年度末までに「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を税務署に提出する必要があります。

そのため、計画段階から当該手続きを検討しなければなりません。

 

また、簡易課税事業者については、売電収入の事業区分は製造業(製造小売業を含みます。)、電気業として第3種事業に分類することになります。

 

⑤固定資産税の対象
太陽光発電設備は、その資産の種類が「機械及び装置」に該当するため、償却資産としての申告が必要になります。

なお、平成28年3月31日までに取得された産業用認定太陽光発電設備等については、固定資産税が当初の3年度分に限り、2/3に軽減される軽減措置があります。

 

⑥法人事業税(収入割)の対象

太陽光発電に係る事業は「電気供給業」に該当するため、太陽光発電の「収入金額」を課税標準として、本業所得とは別途、法人事業税(収入割)を計算します。

※例外として、主たる事業の売上金額の1割程度以下であれば、区分計算せずに、原則の法人事業税(所得割)に含めて計算して差し支えないとされています。

 

(参照)山梨県総合県税事務所発行の資料

 

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(税理士 橋本ひろあき)