合同会社では、出資比率に関係なく、定款で損益の分配割合を決めることが可能です。
また、社員はいつでも利益額の範囲内で利益の配当を請求することができます。
例えば、3人社員(出資額は同額)の合同会社(資本金300万円)で、定款上、損益の分配割合を
A:50%
B:30%
C:20%
としている場合、
設立当期の利益が100万円だとすると
A:50万円
B:30万円
C:20万円
と配分されます。
結果として、
Aの利益剰余金:50万円
Bの利益剰余金:30万円
Cの利益剰余金:20万円
となります。
ここで、Bに対して20万円の利益配当をすれば、
Aの利益剰余金:50万円
Bの利益剰余金:10万円
Cの利益剰余金:20万円
となります。
以上を明確にするため、利益剰余金勘定は社員ごとに分別管理することが必要です。
ちなみに、「出資の払戻し」の例もみてみましょう。
出資状況から
Aの資本金:100万円
Bの資本金:100万円
Cの資本金:100万円
となります。
ここで、Cが出資したお金を50万円返して欲しいといった場合(出資の払戻し)は、
Aの資本金:100万円
Bの資本金:50万円
Cの資本金:100万円
となります。
したがって、会社の資本金が250万円に減少することになります。
なお、この場合も各社員の持分を明確にするため資本金勘定を社員ごとに分別管理することが必要です。
このように社員ごとに資本金、利益剰余金が区別されているのは、合同会社では、株式会社における株主平等の原則のようなものはなく、各社員の持分の内容は全て異なるということを前提に、会計上も処理する必要があるからです。
(税理士 橋本ひろあき)