投資会社の財務諸表の構造

投資会社の財務諸表の構成内容をみてみましょう。

ここでは通常の事業会社と相違する点のみを記述いたします。

 

(1)貸借対照表

(資産の部)

①預託保証金:FX取引を行っている場合に使用します。

②投資有価証券:上場株式銘柄群の取得原価又は時価評価額を計上します。

※通常は投資目的に区分します。デイトレード(短期売買目的)なら「有価証券」勘定を使用します。

③関係会社株式(出資金):他の会社に投資して、子会社や関連会社に該当する場合に使用します。

④証券未収入金:売却代金の未収額です。

⑤証券未払金:購入代金の未払額です。

⑥その他有価証券評価差額金:投資目的の上場株式の期末時価評価により生ずるものです。

※会社法上の要請によるもので、法人税法上は時価評価の必要はありません。

(負債の部)

①長期借入金 :事業会社のように融資は受けられないため、実質役員借入金です。

②社債:金融機関融資の代わりに少人数私募債を活用した場合に計上します。

 

(2)損益計算書

①売上高:FX取引の為替差損益やスワップ金利差、株式の売買損益や配当収益などを処理します。

※配当収益などは法人税法上細かな管理が必要となる場合があります。

②雑収入:株主優待券の処分額や優待メリット額を計上します。

③租税公課:所得税額控除の対象外の所得税や復興特別所得税を処理します。

④社債利息:少人数私募債のクーポン利息を処理します。

⑤法人税等:所得税額控除の対象となる所得税や復興特別所得税を処理します。

 

(3)社員資本等変動計算書

通常の事業会社と同様ですが、剰余金の部分が変わります。

 

(4)個別注記表

通常の事業会社と同様ですが、変動計算書の部分が変わります。

 

このように投資会社の財務諸表は証券関係の部分がやや特異ではありますが、非常にシンプルです。

そして費用がほとんどかからないローコスト・ビジネスといえます。

 

さらに投資会社の収益は運用者の腕次第です。

銘柄の選択眼や売買タイミング如何でパフォーマンスが大きく変わってしまうからです。

 

現実に莫大な収益を上げる才能ある投資家がいます。

相場師としての力次第で青天井の収益が獲得できる世界でもあります。

 

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(税理士 橋本ひろあき)