個人投資活動の法人化の可能性

個人で投資活動を行う場合、所得税の所得計算上、株式投資の儲け(売買益)については譲渡所得(通常)、FX取引の儲け(トレード差益)については先物取引に係る雑所得に区分されます。


(所得計算式) 

・株式等に係る譲渡所得等=収入金額-(取得費+譲渡費用+支払利息) 【申告分離課税】

・先物取引に係る雑所得等=総収入金額-必要経費  【申告分離課税】

 

ところで個人の投資活動を法人化することは可能なのでしょうか?

また法人化のメリットはあるのでしょうか?

 

個人の証券口座を法人にそのまま名義変更するのはまずできないと思います。

そのため、法人化して投資するには法人用の投資資金を自ら用意する必要があります。

(投資事業では銀行の融資はまず受けられません。)

 

基本的に証券会社は自己資本内での投資を要求するでしょうから、合同会社を100万円で設立すれば、100万円以内の株式投資を行うことが基本形になります。

 

当然ですが、100万円程度なら法人化する節税メリットはないため、実際は役員借入金という形で例えば900万円を会社が借り入れて、合計1000万円で投資事業を行うことになります。

 

投資額が1000万円程度であれば法人化のメリットがでてきます。

(この辺りは過去のブログ記事を参考にしてください。また200~300万円程度の投資規模でも他にネットショップ事業やアフィリエイト事業などを兼業すれば法人化の意味は十分あります。)

 

しかし実は、法人化のメリットは他のところにもあります。

ずばり社会保険料の節保険料です。

 

高額所得のサラリーマンが「希望退職」や「定年退職」などで国保に加入することになれば、前年所得ベースで保険料が算定されてしまいますから国民健康保険料はかなり高額になってしまいます。

※健康保険を任意継続(任継)すれば多少は和らぎます。

 

その点、投資会社を設立して役員報酬を最低水準で設定すると、社会保険料がぐんと下がるのです。前年所得と役員報酬額の状況にもよりますが、年間約40万円程度は減らすことが可能です。

このように節税ではなく節保険料のために法人化するケースも実際にあるのです。

 

(税理士 橋本ひろあき)