所得税額からストレートに控除できる主な税額控除には 次のものがあります。
主なもの
(1)配当控除
(2)住宅借入金等特別控除
(3)公益社団法人等に対する寄付金控除
(4)外国税額控除
順に概要をみてみましょう。
(1)配当控除
・総合課税の対象とした配当所得のうち一定のものがある場合に適用されます。
(ただし、外国株式の配当金などは対象外となります。)
<控除額>
①剰余金の配当等に係る配当所得
税額控除額=その配当所得×10%
※5%になるケースあり
②証券投資信託に係る配当所得
税額控除額=その配当所得×5%
※2.5%になるケースあり
③一般外貨建等証券投資信託に係る配当所得
税額控除額=その配当所得×2.5%
※1.25%になるケースあり
(2)住宅借入金等特別控除
・住宅借入金等をもって一定の住宅用の家屋敷を取得し、6月以内に居住用とした場合に、最長10年間適用されます。
<控除額>
①一般住宅
税額控除額=住宅借入金等の年末残高(2,000万円限度)×1%
②認定住宅
税額控除額=住宅借入金等の年末残高(3,000万円限度)×1%
(3)公益社団法人等に対する寄付金控除
・寄付金所得控除の対象となる特定寄付金のうち、特定の要件を満たす公益社団法人等に対するものを支出した場合に適用があります。
<控除額>
税額控除額=次の①と②のうち少ない方
①{税額控除対象寄付金(所得の40%限度)-2,000円}×40%
②所得税額×25%
※寄付金所得控除の対象となる寄付金がある場合には①について特例があります。
(4)外国税額控除
・国外所得について外国所得税を納付することとなる場合に適用があります。
<控除額>
税額控除額=次の①と②のうち少ない方
①その外国所得税
②配当控除及び特別税額控除後の算出税額×国外所得総額/合計所得金額(1を限度)
また、住民税にも同様な制度がありますが、控除額などが異なりますのでご注意ください。
主なものをみてみると
(1)配当控除
※控除率が、2.8%、1.4%、0.7%へ縮小されます。
※さらに一定の場合、1.4%、0.7%、0.35%になります。
(2)住宅借入金等特別税額控除
※所得税から控除しきれなかった金額を個人住民税から控除できます(最高9.75万円)。
(3)寄付金税額控除
・都道府県・市区町村、住所地の都道府県共同募金会、日本赤十字社の支部、若しくは所得税の寄付金控除の対象となる寄付金のうち都道府県又は市区町村が条例により指定した寄付金等のうち、2千円を超える金額を税額控除します。
※個人住民税には寄付金所得控除はありません。
(4)外国税額控除
・所得税の例により一定の金額を控除できます。
なお、個人住民税はその税金計算を役所が行っており、納税者にはその納税額の通知がくる仕組みとなっております。(賦課課税制度といいます。)
他にも種々ありますが、自分が活用できるものがあればもれなく活用して節税しましょう。
(税理士 橋本ひろあき)