投資会社の節税法①(事業年度の変更)

当社では、投資会社で投資した上場株式を、短期売買目的ではなく、中長期で保有することをおすすめしております。

 

しかし、保有株式が、ある日突然の好材料を発表するなどして急上昇した場合、通常は利益確定の売却をすることになります。

また、株式相場が良好な時は、どの銘柄も上昇しますので、かなりの含み益が発生します。

 

税務上は、「その他有価証券」である保有株式は、原価法評価でよいため所有し続ければ課税されることはないのですが、急上昇した時は、含み益を「実現益」にした方が賢明といえます。

 

※一方、「売買目的有価証券」は時価法評価によるため、含み損益である「評価損益」を計上することになります。

 

ただし、この「実現益」は「投資有価証券売却益」として課税対象になってしまいます。

この「実現益」が莫大であれば、つまり法人所得が年800万円を超えるほどになれば、税負担も重くなってしまいます。

 

こうした場合は、他の多くの所有銘柄も利益確定のタイミングが近くなっているでしょうから、税負担の分散のため、「事業年度の変更」をするのが得策です。

 

(事例)

・現在は第2期(平成26年4月1日~平成27年3月31日)の期中にある。

・平成26年12月頃に

 突然保有株が急伸して、実現益が法人所得にして800万円を超えそうだ。

⇒節税のため、H27年1月1日から事業年度を変更する。

∴この結果、

第2期(平成26年4月1日~平成26年12月31日)、

第3期(平成27年1月1日~平成27年12月31日)となります。

 

※事業年度の変更は、登記事項ではありませんので、登記コストはかかりません。

ただし、定款変更と税務署・県税・市税への異動届の提出は必要となります。

そしてこれらの手続きは異動後、速やかに行わなければなりません。

 

こうすれば、第2期の法人所得は年800万円前後に抑えることができ、

第3期になって他の保有株の利益確定をすることで、第2期から第3期へ課税の繰延べができます。

 

そして、第3期に多額の実現益が生じても、投資会社には丸1年間の時間がありますから、さまざまな節税対策をじっくりと練ることができるのです。

 

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(税理士 橋本ひろあき)