投資会社の社会(労働)保険の実務

投資会社は法人であるため、社会保険が強制適用されます。

 

このため、役員1人の会社であっても社会保険に加入することになります。

また、従業員を雇用すると労働保険の関係もでてきます。

 

具体的に一例をみてみましょう。

 

(前提)

①設立年度

・H26.4.2~H27.3.31

・役員報酬月額@30万円

 

②第2年度

・H27.4.1~H28.3.31

・役員報酬@40万円

・従業員1名(4/1)採用 月給@20万円

・従業員にH27.12月10日に賞与20万円を支給

 

②第3年度

・H28.4.1~H29.3.31

・役員報酬@50万円

・従業員1名雇用@20万円

・従業員にH28.7月10日とH28.12.10に賞与をそれぞれ20万円支給

 

 

①設立初年度の社会保険加入関係

・役員資格取得時決定(H26.4.2)

 標準報酬月額30万円で決定

・労働保険は非適用

 役員はその対象外

 

②第2年度の社会保険加入状況

・役員定時決定(H27.7.1)

 標準報酬月額41万円で決定

・従業員資格取得時決定(H27.4.1)

 標準報酬月額20万円で決定

・賞与支払届

 標準賞与額20万円(H27.12.10)

・労働保険は適用(労災&雇用)

 使用人1名につき対象

 →労働保険関係成立日翌日から50日以内に概算保険料申告納付

 ∴@20万円×12=240万円ベース  

  240万円×16.5/1000=39,600円⇒会社が平成27年度概算分を全額納付

 

②第3年度の社会保険加入状況

・役員定時決定(H28.7.1)

 標準報酬月額50万円で決定

・賞与支払届

 標準賞与額20万円(H28.7.10&H28.12.10)

・労働保険は適用(労災&雇用)

 使用人1名につき対象

 →H28.6.1~H28.7.10までに労働保険確定・概算保険料申告納付

 ∴(確定分)260万円ベース

       260万円×16.5/1000=42,900円

       42,900-39,600(概算)=3,300円→平成27年度確定分不足額②

  (一般拠出金)260万円×0.02/1000=52円→平成27年度一般拠出金②

  (概算分)280万円ベース

       280万円×16.5/1000=46,200円→平成28年度概算③

      (総合計)①+②+③=49,552円⇒会社がH28年6月1日~7月10日に年度更新(申告納付)す

                  る。

 

※必要な届出とその期限

(社保関係)

・社保の新規適用届

→会社設立後5日以内

・社保の被保険者資格取得届

→入社後5日以内

・健康保険被扶養者届(国民年金第3号届)

→被扶養配偶者がある場合は、「被保険者資格取得届」と同時に

・社保の賞与支払届

→賞与支給後5日以内

・社保の定時決定

→4・5・6月の給与を7月1日~7月10日まで届出

(労保関係)

・労災の保険関係成立届

 →雇用後10日以内

・雇用保険の適用事業所設置届

 →雇用翌日後10日以内

・従業員につき雇用保険被保険者資格取得届

 →雇用した日の翌月10日まで

・労働保険料の年度更新

 →その年度の6月1日~7月10日まで

 

このように役員1人のほかに従業員を雇用すると社保労保上いろいろな手続きが必要になります。

 

特に、必要な書類とその提出期限にはご注意ください。

 

(税理士 橋本ひろあき)