投資会社の役員報酬の決め方

役員の報酬は、投資会社で最も多額の費用になります。

 

そしてこの金額の決定は大変難しいものです。

 

それは、投資会社の年間利益が見込みづらい上に、役員報酬は税務上の費用にするために毎月定額支給(「定期同額給与」といいます。)が求められているからです。

つまり、一度報酬月額を決めると、基本的にはその事業年度は変更できないのです。

 

だからといって適当にというわけにはいかないので、ここでは大まかな考え方をみたいと思います。

 

①法人に残る利益は年800万円以内に

→法人税の実効税率が約22~24%に軽減されるためです。

 ※年800万円を超えると約36%に増加します。

 

②役員の報酬取り分は年1200万円以内に

→所得税の限界税率が一般的なケースで23%の階層です。(課税所得695万円~900万円)

 ※住民税率10%をあわせると33%の限界税率です。

 

したがって、法人の年利益(役員報酬控除前の利益)が2000万円の場合は、一般的には役員報酬を1200万にして、法人利益を800万円にするのが最善の節税プランになります。

 

実際は、役員の家族構成や保険料などの支出構成によって所得控除額が変わるとこの金額が前後するため、上記はあくまでも参考ということになります。

 

理論的には、個人の実効税率(税負担額/役員報酬額)と法人の実効税率を合算して、最も低い合算税率となる組み合わせの配分割合を探し出せばよいことになります。

 

なお、サラリーマン経営者の場合、勤務先に知られないようにするため役員報酬をあえてもらわないことがあります。

※サラリーマンが2か所給与をもらうと、個人の確定申告や社会保険の届出など面倒な手続きが増えてしまうためです。

 

その場合でも法人利益が年利益800万円以下であれば、実効税率が約23%と個人の証券税率20.315%と遜色ありませんので、法人だけで課税されても税負担はあまり変わりません。

 

(税理士 橋本ひろあき)