投資会社の場合、一般事業会社と異なり、業績予測が極めて困難です。
株式投資を中心とする場合、ある程度、配当予想や優待情報などでインカムゲインの部分は予測できますが、キャピタルゲイン(値上がり益つまりトレード利益)の部分は予測がつきません。
したがって、業績管理といってもできるのは、固定費の把握と、その固定費をまかなえるだけの収益を把握するくらいでしょう。
投資会社の場合、原価がかかりませんから、
損益分岐点=年間の固定費=年間収益
という関係が成り立ちます。
そして固定費の中で最大のものは役員報酬です。
この役員報酬は、相場師としての「技術料」といってもよいでしょう。
他の固定費はそれほど多くかかりませんし、毎年の変動もあまりありません。
年間収益が見えたら、逆算して「役員報酬」を決めていくのが定石です。
それでもリターンにぶれがあるのが投資事業でしょうから、その時は、翌年に役員報酬を増減させることで対応できます。
場合によっては、期中に「業績悪化改定事由」による役員報酬の減額を検討することになります。
逆に期中に巨利があがれば、適切な節税対策を迅速に実施することになります。
(税理士 橋本ひろあき)