ネットショップ特有の仕訳に「ポイント引当金」の仕訳があります。
例えば、楽天会員は、楽天市場でのサービス利用料金に対し通常1%のポイントがもらえます。
(税別100円で1ポイント)
なお、ポイントの有効期限は、ポイント付与月の翌年の前月末日までです。
ポイント引当金の会計処理は
(1)最初販売時
税別10,000円の売上げがありました。
①商品売上げ
(現預金)10,800 (売上高) 10,000
(仮受消費税等)800
※消費税は課税売上げです。
②ポイント付与
特に仕訳なし
※ただし、付与ポイント100はシステムで管理。
(2)決算日
引当金を計上します。翌年の失効率も織り込んで、ポイントの過去平均使用率などを用います。
ここでは、使用率=引当率が50%だと仮定します。
(ポイント引当金繰入額)50 (ポイント引当金)50
※勘定科目は「販売促進費」でもOKです。
※消費税は不課税です。
(3)ポイント使用販売時
100ポイントのうち、50ポイントを使って税別10,000円の売り上げがあった場合、
グロスで売上げを計上し、ポイント使用分を費用計上します。
(現預金)10,746 (売上高) 10,000
(販売促進費)※50(仮受消費税等) 796
※費用の二重計上にみえますが、決算日に引当金を戻し入れるので問題ないです。
※消費税の課税標準は、受取対価の9,950円になります。
(4)次期決算日
①戻入れ
(ポイント引当金)50(ポイント引当金戻入額)50
※前期分
②当期繰入れ
(ポイント引当金繰入額)25 (ポイント引当金)25
※ポイント残高50×50%=25
この他に、
・複数店舗出店の場合は部門別会計(店舗別管理会計)にすれば損益管理が店舗(店長)ごとに可能
となる。
・送料は消費税との絡みで場合により売上高に含めないで、別勘定(預り金)とするのが納税義務の
判定などに有利となる。
などいくつかの留意点があります。
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♢改訂履歴
2015年1月17日更新
(税理士 橋本 ひろあき)