上場外国株式(配当金)の法人税務

法人口座で外国株式への投資は会計処理が煩雑となるためお薦めしませんが、万一、外国株式口座を開設して投資をしていた場合、配当金を受け取ることになります。

 

この配当金の処理は一体どうすればいいのでしょうか?

 

通常は、日本の証券会社に口座を開設するため、配当金の支払いは国内証券会社を経由することになります。

※日本の証券会社を経由して配当金を受け取る場合を前提としています。外国証券会社からの場合は異なりますので注意してください。

 

そして、外貨ベースの配当金をTTB(電信買相場)で円貨ベースに換算して配当収入を計算します。(邦貨換算日は少しややこしいですが、記名の国外株式の配当においては、その配当の支払開始日と定められている日となります。)

 

また、配当金から外国源泉税と源泉所得税が天引きされていると思いますが、上場外国株式であれば源泉徴収率は国内上場株式と同様となります。(H26年1月~は15.315%)

 

(計算例)

・米国上場B社/国外株式

・100株保有

・配当金@10$

・外国税@1$(税率10%)

・配当金現地支払開始日;H26年10月3日(TTB:1$=97円)

・国内取扱証券会社の配当金交付日:H26年10月13日(TTB:1$=98円)

 

(1)配当金収入

100株×10$×97円=97,000円

(2)外国税額

100株×10$×97円×10%=9,700円

(3)源泉所得税

{(1)-(2)}×15.315%=13,369.995→13,369円

(4)為替差益

100株×10$×(100%-10%)×(98円-97円)=900円

(5)実際配当金入金額={(1)-(2)-(3)+(4)}

100株×10$×98円-100株×10$×98円×10%-13,369円(源泉所得税)=74,831円

 

また、法人税の計算上、(3)の源泉所得税について所得税額控除の適用があり、(2)の外国税額について外国税額控除の適用があります。

※上記(1)~(4)のそれぞれの金額が法人の申告額となります。

 

なお、国内株式の配当金とは異なり、外国株式の配当金については、受取配当等の益金不算入の対象にはなりません。これは当該配当金については日本の法人税が課されておらず二重課税の心配がないためです。

 

余談ですが、海外投資を行う場合は、投資法人でするよりも個人でするほうがはるかに簡単で手間がかかりません。法人口座では特定口座の開設ができないからです。

 

こうした理由から個人で特定口座での海外投資をお奨めしております。

※個人でも格安料金を唄うネット証券では、マネックス証券を除き特定口座での取引はできません。(H26年6月現在)

 

■関連記事

上場外国株式(売買益)の法人税務

 

(税理士 橋本ひろあき)

 

~スッと読めますシリーズ~
拙著「投資運用会社(株式・FX)の設立と運営のすべて」収録記事