今回は趣向を変えて、法人口座での株式ファンドの課税関係をまとめたいと思います。
また法人が課税事業者の場合には、課税売上割合に影響しますので、特に消費税の取り扱いに留意してください。
(1)期中分配金(普通)の課税関係
①源泉徴収あり
平成25年中は、7.147%の税率です。
平成26年からは、15.315%になります。
※個人とは異なり、3%又は5%の配当割はかかりません。
②受取配当等の益金不算入制度あり
非株式割合、外貨建資産割合によって不算入率が、1/2、1/4、0になる。
どれになるかは、「収益分配金のお知らせ(兼支払通知書)」などで確認できます。
③消費税は非課税
分配金の額がそのまま非課税売上高となります。
(2)期中分配金(特別)の課税関係
①源泉徴収なし
②受取配当等の益金不算入制度なし
③消費税は不課税
※特別分配金は元本の払戻しになるので課税関係は発生しませんが、投資元本について一定の会計処理が必要になります。
(3)譲渡益(買取)の課税関係
①源泉徴収なし
②受取配当等の益金不算入制度なし
③消費税
売却代金の5%相当額が非課税売上高に算入されます。
(4)解約・償還に伴う解約・償還差益の課税関係
①源泉徴収あり
平成25年中は、7.147%の税率です。
平成26年からは、15.315%になります。
※個人とは異なり、3%又は5%の配当割はかかりません。
②受取配当等の益金不算入制度あり
非株式割合、外貨建資産割合によって不算入率が、1/2、1/4、0になる。
どれに該当するかは、「償還金のお知らせ(兼支払通知書)」などで確認できます。
③配当等の額の計算方法が特殊です。
※詳しくは税理士など専門家までお問合せください。
④消費税は非課税
「解約価額(償還金額)-個別元本」の額が非課税売上高に算入されます。
以上のように、一口にファンドの課税関係といっても、状況により変わりますのでご注意ください。特に、譲渡では買取なのか解約なのかで非課税売上高が変わるので課税売上割合への影響に注意する必要があります。
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(税理士 橋本ひろあき)
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拙著「投資運用会社(株式・FX)の設立と運営のすべて」収録記事