相続財産の分割方法

相続が起きた場合、その財産が分けやすいものであれば、相続人間で個別所有に財産を分割すればよいので簡単です(「現物分割」)。

 

しかし、国税庁の発表しているデータによれば、相続財産の構成は不動産に偏っており、50%くらいが土地、建物等の分割しずらいものとなっています。

 

そのため、1棟建物や小規模宅地などは共有財産になりやすいです(「共有分割」)が、将来的なことを考えればできれば個別財産に整理するのが望ましいです。

「固定資産の交換」特例などをうまく活用すれば共有から単独名義にできます。

 

もし相続財産である不動産が売却しやすいものであれば、「換価分割」も一法です。

「換価分割」とは、相続財産を売却してその代金を共同相続人間で分ける方法です。

ただしこの方法では、被相続人に対して不動産売却時までの値上がり益について譲渡税がかかってしまいます。

課税関係としては、被相続人の公租公課として共同相続人が相続負担することになります。

また、相続税の負担額は、譲渡所得の計算上「相続税の取得費加算」特例により取得費が多くできるため相続人に有利に働きます。

 

最後に「代償分割」があります。

特定の相続人が単独相続する代わりに、他の相続人に単独相続人固有の財産を支払う方法です。

例えば、子2人の相続で、長男が2,000万円の自宅敷地を単独相続する代わりに、次男に1,000万円の現金を支払うといった方法です。

しかし仮に1,000万円の土地を交付すれば、長男に対して交付時までの土地値上がり益について譲渡税がかかることになりますので注意が必要です。

 

(税理士 橋本ひろあき)


~スッと読めますシリーズ~
拙著「相続税の基礎知識と増税対策」収録記事