合同会社の事業承継

合同会社は、一人節税会社(プライベートカンパニー)として利用価値が高いのですが、

仮に代表者に万一のことが起きた時を想定しましょう。

 

合同会社は持分会社の1つですから、その持分(出資)が相続財産になります。

この場合、その財産評価額は次のようになります。

 

(1)事業が承継される場合<持分を承継する>

相続人が持分を承継する旨を会社定款に記載しておけば、問題なく会社は継続されます。

この場合、出資は財産評価基本通達に則り評価されます。つまり自社株の評価に準じます。

詳しい評価方法は省略しますが、おおよそ純資産価額(相続税時価)ベースでの評価額となります。

 

(2)事業が承継されない場合<持分を承継しない>

相続人は持分の払戻しを受けることになります。

この場合、出資は払戻請求権として評価されます。

その評価額は、評価する合同会社の相続開始日における各資産を財産評価基本通達の定めにより評価した価額の合計額から課税時期における各負債の合計額を控除した金額に持分を乗じて計算します。

 

このように、定款の記載の有無で財産評価が変わってきますので、将来的に会社を継続させるのかたたんでしまうのか事前に決めておく必要があります。

 

※この承継問題は株式会社と比べ面倒です。

 特に登記面でややこしくなります。

 この難点は、合同会社の株式会社への組織変更により解決できます。

 費用も、登録免許税60,000円+官報公告費用30,000円程度=90,000円程度で済みます。

(登記を依頼する場合は、別途、司法書士報酬が必要になります。)

 設立後、例えば軌道に乗った3~5年後に組織変更するのが理想的です。

 

 合同会社の場合、出資者=経営者という図式がベースにあるからやむを得ません。

 ちなみに、株式会社は出資者≠経営者なので、株式の移転が自由に行えます。

 

(税理士 橋本ひろあき) 


~スッと読めますシリーズ~
拙著「合同会社の設立と運営のポイント」収録記事