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セルフメディケーション税制(平成29年改正)

2017年1月1日、セルフメディケーション(自己治療、自主服薬)を推進するために始まったのが、「セルフメディケーション税制」です。

 

これまでの医療費控除の特例として2021年12月31日まで時限措置で施行されるもので、対象者はスイッチOTC医薬品の年間購入額が自分と扶養家族の分を合わせて1万2千円を超える人で日頃から健康の維持増進や疾病予防のために健康診断などを受けている人とされています。

 

◇概略

そもそも医療費控除とは、1年間の家族の医療費自己負担額が合計10万円(所得により異なります)を超えた場合に、医療費控除として一定金額が課税所得から控除されるものです。

 

この制度の特例として新たに始まったセルフメディケーション税制では対象となるスイッチOTC医薬品の購入金額が1万2千円を超えれば控除の対象になります。

 

なお、原則的な医療費控除を使うか、特例のセルフメディケーション税制を使うかは、年間の医療費の内訳(特に、スイッチOTC医薬品の内訳)に注目して判断しましょう。

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空家を売った時の譲渡所得の特例

相続した一定の空家について、平成28年4月1日から適用されている譲渡特例です。

 

1. 特例の内容

相続又は遺贈により取得した被相続人居住用家屋(㊟1)又は被相続人居住用家屋の敷地等(㊟2)を、平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間に売って、一定の要件に当てはまるときは、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除することができます。

 

これを、被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例といいます。

 


(1) 被相続人居住用家屋とは、相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋で、次の3つの要件全てに当てはまるもの(主として被相続人の居住の用に供されていた一の建築物に限ります。)をいいます。
イ. 昭和56年5月31日以前に建築されたこと。
ロ. 区分所有建物登記がされている建物でないこと。
ハ. 相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと(つまり一人住まい)。

 

(2) 被相続人居住用家屋の敷地等とは、相続の開始の直前において被相続人居住用家屋の敷地の用に供されていた土地又はその土地の上に存する権利をいいます。

 

2. 特例を受けるための適用要件
(1) 売った人が、相続又は遺贈により被相続人居住用家屋及び被相続人居住用家屋の敷地等を取得したこと。


(2) 次のイ又はロの売却をしたこと。
イ. 相続又は遺贈により取得した被相続人居住用家屋を売るか、被相続人居住用家屋とともに被相続人居住用家屋の敷地等を売ること。
(注)被相続人居住用家屋は次の(イ)及び(ロ)の要件に、被相続人居住用家屋の敷地等は次の(イ)の要件に当てはまることが必要です。
(イ) 相続の時から譲渡の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと。
(ロ) 譲渡の時において一定の耐震基準を満たすものであること。


ロ. 相続又は遺贈により取得した被相続人居住用家屋の全部の取壊し等をした後に被相続人居住用家屋の敷地等を売ること。
(注)被相続人居住用家屋は次の(イ)の要件に、被相続人居住用家屋の敷地等は次の(ロ)及び(ハ)の要件に当てはまることが必要です。
(イ) 相続の時から取壊し等の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと。
(ロ) 相続の時から譲渡の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと。
(ハ) 取壊し等の時から譲渡の時まで建物又は構築物の敷地の用に供されていたことがないこと。


(3) 相続の開始があった日から3年目の年の12月31日までに売ること。


(4) 売却代金が1億円以下であること。


(5) 売った家屋や敷地等について、相続財産を譲渡した場合の取得費の特例や収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと。


(6) 同一の被相続人から相続又は遺贈により取得した被相続人居住用家屋又は被相続人居住用家屋の敷地等について、この特例の適用を受けていないこと。


(7) 親子や夫婦など特別の関係がある人に対して売ったものでないこと。

3. 適用を受けるための手続

この特例の適用を受けるためには、次に掲げる場合の区分に応じて、それぞれ次に掲げる書類を添えて確定申告をすることが必要です。


(1) 相続又は遺贈により取得した被相続人居住用家屋を売るか、被相続人居住用家屋とともに被相続人居住用家屋の敷地等を売った場合
イ. 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)〔土地・建物用〕


ロ. 売った資産の登記事項証明書等で次の3つの事項を明らかにするもの
(イ) 売った人が被相続人居住用家屋及び被相続人居住用家屋の敷地等を被相続人から相続又は遺贈により取得したこと。
(ロ) 被相続人居住用家屋が昭和56年5月31日以前に建築されたこと。
(ハ) 被相続人居住用家屋が区分所有建物登記がされている建物でないこと。


ハ. 売った資産の所在地を管轄する市区町村長から交付を受けた「被相続人居住用家屋等確認書」
(注)ここでいう「被相続人居住用家屋等確認書」とは、市区町村長の次の2つの事項を確認した旨を記載した書類をいいます。
(イ) 相続の開始の直前において、被相続人が被相続人居住用家屋を居住の用に供しており、かつ、被相続人居住用家屋に被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと。
(ロ) 被相続人居住用家屋又は被相続人居住用家屋及び被相続人居住用家屋の敷地等が相続の時から譲渡の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと。


ニ. 耐震基準適合証明書又は建設住宅性能評価書の写し


ホ. 売買契約書の写しなどで売却代金が1億円以下であることを明らかにするもの

 

(2) 相続又は遺贈により取得した被相続人居住用家屋の全部の取壊し等をした後に被相続人居住用家屋の敷地等を売った場合
イ. 上記(1)のイ、ロ及びホに掲げる書類

 

 ロ. 売った資産の所在地を管轄する市区町村長から交付を受けた「被相続人居住用家屋等確認書」
(注)ここでいう「被相続人居住用家屋等確認書」とは、市区町村長の次の3つの事項を確認した旨を記載した書類をいいます。
(イ) 相続の開始の直前において、被相続人が被相続人居住用家屋を居住の用に供しており、かつ、被相続人居住用家屋に被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと。
(ロ) 被相続人居住用家屋が相続の時から取壊し等の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと。
(ハ) 被相続人居住用家屋の敷地等が次の2つの要件を満たすこと。
A 相続の時から譲渡の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと。
B 取壊し等の時から譲渡の時まで建物又は構築物の敷地の用に供されていたことがないこと。

 

当該特例は最高3,000万円もの特別控除が受けられるため、適用要件や適用手続きが複雑となっていますが、一考の価値はありそうです。

 

(税理士 橋本ひろあき)

クレジットカード利用明細書と領収書

クレジットカード会社の利用明細書と領収書は全く別物となります。

 

クレジットカード会社の利用明細書は、クレジット会社があなたの代わりにお店へ立替払した代金を明示するもので、通常は、「利用日」「利用先」「利用金額」「利用回数」が記載されています。


一方、領収書はあなたの利用したお店が発行するもので、購入した金品の具体的明細が記載されています。

 

実務の場面では、クレジットカード会社からの利用明細があればお店の発行する領収書は必要ないと考えている方が多い感じがします。

 

確かにクレジットカード会社の利用明細があれば、いつ、どこで買い物したのかはわかります。

 

しかし、問題点がいくつかあります。

 

(1)お店が発行した領収書がないと税務上、経費として認められない可能性があります。
今のところ、税務当局はカード会社の利用明細書が領収書代わりになるとは考えていません。

 

(2)カード会社の利用明細では、利用先は分かりますが、購入金品の具体名までは分かりません。
例えば、アマゾンを利用したからといって、一括して全額を「消耗品費」などの科目で費用計上することは不適切です。

 

領収書には、具体的に「何を」購入したかも記載されています。

そのため、資産計上すべきか費用処理すべきか、またどの勘定科目で処理すべきか正確に会計処理が可能です。

 

もし資産計上すべきものがあったのに費用処理していれば、後日税務調査で問題となります。

 

(3)カード会社の口座引落日では、発生主義会計ではなく現金主義会計となります。

クレジットカード会社の利用代金は、実際の利用日から1~2ケ月遅れて請求されますので、クレジットカード会社の口座引落日をもとに会計処理すれば、本来の仕訳処理日より遅れてしまいます。

 

本来は利用日に未払計上すべきですが、カード会社の引落日に遅れて会計処理することになります。

 

このように領収書がないと税務上のリスクが高まることになるのです。

 

クレジットカード会社の利用明細だけで処理をするのは不適切なので、必ず領収書もあわせて仕訳処理しましょう。

 

なお、仕訳に利用した領収書は後日郵送されるカード会社の利用明細書にホッチキスなどで貼付しておくと照合もでき確実に整理保存できるのでおすすめです。

 

(税理士 橋本ひろあき)

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